シリコンバレーの名門VCら出資の「大麻検査キット」が発売へ

Hound Labsの大麻検査キット(Credit: Hound Labs)


Hound Labsは、昨年9月に警察による最初の実地テストを発表し、現在は実用化に向けた取組みを加速している。しかし、専門家らは大麻吸引による運転能力への影響を証明するのは困難だと指摘する。「現段階では、使用した大麻の量だけで運転能力の低下を判定することは不可能だ」とアメリカ自動車協会のMarshall Doney は話す。これに対し、Lynnは、「Hound Labsによる研究結果によって、大麻が運転に及ぼす影響を測定したい」と述べている。警察当局は、当面の間これまでの検知方法と大麻検知器を併用するとしている。

価格は500ドル程度から

Hound Labsは、今回のラウンドの前に、エンジェル投資家から600万ドルを調達している。米国では、9州において大麻が合法化されており、8州とワシントンD.C.では嗜好用大麻も合法化されている。また、コロラド州では2016年に合法大麻の売上高が10億ドルを突破している。

しかし、そんな状況下でもシリコンバレーの大手VCは大麻関連企業への投資に慎重だ。投資する場合には、他の投資ファンドを通じて間接的に行うか、Hound Labsのように大麻を直接販売しない企業に出資している。

Houndは、2017年4Qに発売開始となる予定で、価格は酒気検知器と同じ500ドルから1000ドル程度になる見込みだ。キットには、酒気検知器としても使える部品と、テスト用の使い捨てカートリッジが同梱される。カートリッジで採取したサンプルは、数か月後にも再テストすることが可能だという。

今のところ、Hound Labsは消費者向けに検知器を販売する予定はないという。大麻の品質テストに使いたいというニーズは多そうだが、「我々はHoundをパーティー向けツールにするつもりは全くない」とLynnは断言する。

編集=上田裕資

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