脱税で有罪確定のメッシから学べる2つのこと

有罪確定となったメッシ (Photo by Albert Llop/Anadolu Agency/Getty Images)


もう一つ学ぶことができるのは、透明性を維持することの重要性だ。何かを隠すことは常に、何か良からぬことがあるとの見方を持たれる。メッシが「公表しないこと」に目を付けたスペイン検察は鋭かった。メッシの資産管理会社は、受益権所有者が明らかにされていなかったのだ。親子は管理会社を英国、スイス、ウルグアイ、ベリーズに設立していた。

親子に対して持たれた疑いは、これらのペーパーカンパニーを416万ユーロ(約5億1900万円)に上るメッシの肖像権収入を隠すために利用していたということなどだった。メッシの名前は、「パナマ文書」(パナマの法律事務所から流出した各国の多数の企業・個人による租税回避行為を明らかにする内部文書)の中にもあった。

非公開の事実がある団体を利用することは、罪のない行為を意図的で違法な行為に「変える」場合がある。知らなかったと主張しても、有罪を言い渡される可能性はあるのだ。メッシの場合は、複数の資産管理会社が作る多層構造の中に見られる不透明性が重要な要因となった。

親子が犯した過ちから私たちの誰もが同様に学べるのは、説明責任と透明性の重要性だ。何か理解できないことがあれば、誰かに尋ねることだ。何かが隠されているなら、理由を尋ねる必要がある。何かの所有権を非公開とすることに正当な理由があるとしても、少なくとも政府当局に対して隠すべきではない。

編集 = 木内涼子

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