ジョブズが認めたマーケティングの達人、ジョン・スカリーの言葉

ジョン・スカリー(Photo by Brad Barket/Getty Images for Kairos Society)

ジョン・スカリーはマーケティングの達人だ。1970年代にはペプシの社長として大々的なキャンペーンを打ち出し、コカ・コーラからマーケットシェアを奪うことに成功した。

スカリーは1983年、スティーブ・ジョブズの誘いでアップルのCEOに就任した。そのジョブズを1985年にアップルから追放した後、スカリーは1993年まで同社をけん引した。その後1997年にジョブズが復帰し、現在のアップルのルーツを築き上げた(スカリーはこの時のジョブズを“ジョブズ2.0”と呼んでいる)。

現在はRxAdvanceのCMOやFlex Pharmaの役員を務めるなどヘルス系スタートアップの運営に関わっているスカリーが、40年以上にわたりアメリカのトップ企業を経営してきたノウハウをポッドキャスト「Forbes Interview」で語った。以下はそのハイライトだ。

──アップル入社の決め手となったジョブズの言葉は?

「ジョブズは長い間うつむいていた後、私の目をまっすぐ見てこう言った。“このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と世界を変えたいのか。”その数週間後、私はアップルで働いていた。これがジョブズという男だった。適切な言葉を見つける達人であり、人々の考えを変えられるようなカリスマ性を持っていた」

──世界レベルのマーケティング戦略を構築するには?

「素晴らしいマーケティングというのは、顧客が抱える課題を解決する方法を見つけ出すことだ。大事なのは顧客の関心事を知り、いかにそこから利益を上げるか、いかに顧客を取り戻すか、そして顧客にとって生涯にわたる価値となるものを考えることだ。顧客のために、という思いに立っていれば、必然的に利益は得られる」

──現代のスタートアップのエコシステムについて何を思うか?

「現代はかつて3年かかったことが3か月、3か月かかっていたことが3週間でできる時代だ。これまでコストが高かったことが、今ではすぐにクレジットカードで支払えるほど安価になっている。起業家をとりまく環境は数十年前と比べると驚くほど変化している」

編集=上田裕資

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