リストに入った2000社は、全体として前回から時価総額をプラス10%と大きく増やした。リストは金融関連情報などを提供する米ファクトセット・リサーチ・システムズのデータに基づき、世界各国の公開企業の売上高、利益、保有資産、時価総額を調べ、総合的に割り出したスコアから上位2000社を公表するもの。時価総額は、各社株価の今年4月7日の終値と発行済株式数から算出。指標とした4項目の金額は全て連結ベースで算出し、米ドルに換算した。
今回のリストに入ったのは、昨年の62か国より少ない58か国の公開企業。各社売上高の合計は35兆3000億ドル(約3939兆円)、利益は2兆5000億ドル、資産総額は169兆1000億ドル、時価総額は48兆8000億ドルとなった。
米中企業が上位を独占
リストに入った企業で最も多くを数えたのは米国で565社。次いで香港を含めた中国企業が263社となり、両国合わせて全体の40%以上を占める。
トップ10に入った企業も、1位の中国工商銀行、3位の米バークシャー・ハサウェイなど、ほぼ全てを両国が占めた。トヨタが唯一、米中以外で10位に入っている。
昨年までの2回のランキングでは、トップ3を中国企業が占めていたが、今回3位に米著名投資家ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイが入った。多数の米主要銘柄を保有する同社が順位を上げたことは、米国企業が市場の不透明性からそれほど大きな影響を受けていないことを示すものといえる。
躍進が目立つのも米中企業
今回初めてリスト入りを果たした企業のうち、最も高い順位に付けたのは、55位の中国郵政貯蓄銀行だった。2016年9月に新規株式公開(IPO)を果たし、81億ドルを調達。同年中では世界最大規模のIPOとなった。
米国企業の中で初のリスト入りとなった企業の中で、最も注目を集めたのは写真・動画共有アプリのスナップチャットを運営する米スナップだ。時価総額が240億ドルに達し、1693位に付けた。
また、初めて上位100社入りしたのは83位の米アマゾンで、昨年の237位から大きくランクアップした。中国のアリババは140位に順位を上げた。
一方、低水準が続く原油価格の影響で、エネルギー関連企業にとっては良い一年ではなかった。米エクソンモービルは順位を4つ下げて13位、中国石油天然気(ペトロチャイナ)は昨年の17位から102位、米シェブロンは28位から359位へと、それぞれ大きくランクを下げた。