爪を傷めない3Dネイル、米美容業界でキャリア10年の23歳が開発

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23歳のアレクシス・アイリーンは、従来とは全く異なるネイルチップを製造、販売する米スタティック・ネイルズ(Static Nails)の創業者だ。昨年発表した「ポップオン・マニキュア(Pop-On Manicure)」は、発売から6か月間で約50万ドル(約5560万円)を売り上げた。

ポップオン・マニキュアは、自分で付けることができる再利用可能なネイルチップ。爪を傷めないネイルグルーで装着し、最長18日間そのデザインを楽しむことができる。短い日数で取れた場合は、最大6回まで再利用が可能だ。

「自爪にダメージを与えることなく、元々のデザインを生かしたカスタマイズもできるところが、この製品の最大の長所。さらに、わずか5分で装着することができる」という。

大学在学中だった5年前、寮の部屋で思いついたアイデアから生み出したこの製品についてアイリーンは、女性たちがマニキュアについて嫌だと思うことの全てを解決する、革新的なものだと語る。

「ネイルアートには時間もかかるし、嫌なにおいもする。爪を傷める上に、料金も高い。時間と労力をかけても、チップは数日で取れてしまったりする。ジェルネイルやアクリルのチップを付けることで爪を傷めるために、高額の料金を払っているようなものだ」

ネイルアートの人気が高まり始めていた当時、流行っていたのは薬指だけに違う色を塗ることだった。だが、インスタグラムで3Dのドーナツを爪に乗せた複雑なアートを見つけたのが、ポップオンを考え付いたきっかけだ。

さらに、そのころドラッグストアなどで買うことができたネイルシールは色も限られており、デザインもフレンチネイルくらいしかなかった。アイリーンはそこに、チャンスを見出したのだ。「プレスオン」と呼ばれるシープタイプのセルフネイルとの違いを出すために、自身が開発する製品の名を「ポップオン」に決めた。

大学中退も覚悟

14歳からモデルとして働き始め、16歳の時には当時国内で最年少のプロのメイクアップ・アーティストになったアイリーンは、17歳になるころには百貨店メイシーズの化粧品販売カウンターの最年少のマネージャーとなり、最も業績の良い店舗の一つであるサンタモニカのブルーミングデールで働いていた。
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編集=木内涼子

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