自己認識ができる人はわずか15% 意識を変える方法は?

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組織心理学者のターシャ・ユーリックは新著『Insight(洞察力)』で、多くの人が習得していると思っているが実は習得できていない「自己認識」について書いている。

ユーリックは自己認識を大幅に高めた人々を分析し、数百件もの先行研究を調べ、なぜ人にはこれほど大きな盲点があるのか、それを変えるためにはどうしたらよいのかを説明している。

自己認識はキャリアの成功に不可欠だ。自己認識ができている人は仕事ができ昇進しやすく、効率的に部下を統率する。自己認識ができている社員が多い会社は、より強固な財務業績を収めている。

ユーリックが行った調査の結果、95%の人が自分は自己認識ができていると思っているものの、本当に自己認識ができているのはわずか10~15%であることが分かった。その理由は3つある。

第1に、人は誰もが盲点を持っている。私たちは自動操縦モードで動いており、自分の振舞いやその理由を理解していない。第2の要因は自己肯定願望だ。自分を肯定すると幸せな気分になれる。最後の要因は「自己崇拝」。ソーシャルメディアが爆発的に広まる中、人々は自分の事ばかりに夢中になっているのだ。

では自己認識を獲得するには、どうしたらよいのか? ユーリックは、内面的と外面的の2種類の自己認識に取り組む必要があると言う。

内面的自己認識とは「自分の価値観、情熱、願望についての内省的な理解」で、外面的自己認識は「外側から自分自身を理解すること、つまり他人があなたをどう見ているかを知ること」だと彼女は書いている。意外なことに、外面的自己認識ができている人が必ずしも内面的自己認識ができているとは限らず、両者には関係がないことが調査の結果分かっている。

ユーリックは、外面的自己認識を高めるため、職場で「思いやりのある批判者」を探すことを提案する。あなたに成功してもらいたいと思っており、オブラートに包まず真実を伝えてくれる人が良い。
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編集=遠藤宗生

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