「AIファースト」グーグルの新戦略、理解必須の13ポイント

グーグルのサンダー・ピチャイCEO (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

グーグルのサンダー・ピチャイCEOは、5月17日に開幕のカンファレンス「Google I/O」で基調講演を行った。

ピチャイは1年前から進める「AIファースト」が大きな成果を挙げていることを強調し「提供する全てのプロダクトとプラットフォームにAIを搭載する」と語った。グーグルレンズ(Google Lens)や求人検索サービス「Google For Jobs」などの興味深いサービスやテクノロジーが数多く紹介された。

以下に、Google I/Oで発表された内容のハイライトを紹介する。

1. グーグルレンズ:
カメラを被写体に向けるとAIが何であるかを認識し、関連する情報をユーザーに教えてくれる。カメラでルーターのバーコードを写せば、自動的にネットワークにログインしてくれる。

2. グーグルアシスタントとグーグルレンズの統合:
例えば、日本語で書かれた食事のメニューをカメラで写すと、グーグル翻訳が英語に翻訳してくれ、アシスタントにメニューの内容を画像で表示するよう指示することができる。グーグルアシスタントは、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語に対応し、近日中には日本語にも対応する。イタリア語など他の言語は今年中に対応するという。

3. グーグルアシスタントのiOS対応:
グーグルアシスタントのiOSアプリ版が発表された。これにより、スピーカーや玩具などのデバイスメーカーがグーグルアシスタントを搭載しやすくなった。アップルのSiriにとっては大きな脅威となる。

4. クラウドTPU(Cloud TPU):
グーグルクラウドの顧客向けに、ディープラーニング専用のチップ「クラウド TPU」が発表された。

5. Google.aiにAIサービスを統合:
AIに関する研究成果やツールを含めた全てのAIサービスを「Google.ai」に統合すると発表した。

6. スマートリプライ機能:
AIが返信文を提案してくれる「スマートリプライ」機能がGmailアプリに実装された。

7. グーグルフォトに顔認識機能が追加:
AIによる顔認識の精度は人間を上回るという。

8. グーグルホームの機能アップデート:
AIがユーザーに質問されるよりも前に必要な情報を提供する。米国内とカナダでは、無料のハンズフリー通話に対応。Spotify 以外にもSoundCloudとDeezerなどの音楽配信サービスや、HBO NowやHuluなどのTVサービスに対応した。また、道を尋ねて「レッツゴー」とコマンドすると、道順がスマホに転送されたり、カレンダーや天気予報をテレビに表示することができるようになった。

9. グーグルフォトの機能アップデート:
AIが写真に写った顔を認識し、その人物と写真を共有することを提案し家族や親しい友人らと写真やアルバムを自動共有することができる。また、フォトブックの製本を手軽に行えるサービスの提供も開始した。グーグルレンズと連携し、保存した写真に関する情報を調べることができる。

10. ユーチューブの機能増強:
ユーチューブのテレビアプリが360度動画に対応。また、ファンがクリエイターとチャットしたり、クリエイターを支援する「Super Chat」機能が拡張された。

11. Androidユーザーが20億人に:
Android端末のユーザー数が20億人に到達した。Androidの次期バージョン「Android O」は、AI機能やコピペ機能、通知機能、セキュリティ機能の改善や、OSやアプリ起動の迅速化など様々なアップデートが期待される。

12. レノボとHTCのDayDream 対応:
レノボとHTCがVRプラットフォームDaydreamに対応し、トラッキング技術を改良した新型ヘッドセットを年内に発表する。

13. 求人検索Google For Jobsの始動:
グーグルはリンクトイン、Monster、Career Builderなどと提携し、優れた検索性を備えた求人検索サービス「Google For Jobs」を今後数週間のうちに米国でリリースする。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事