New Standはミレニアル世代をターゲットに、小規模ではあるが洒落たつくりの店内で通勤客たちにヘルシーなチョコレート菓子のbark Thinsやポッキーなどを販売。自然志向の化粧品やTaylorのヘッドフォン、チェキミニ8プラスのフィルムといった遊び心あふれるアイテムも販売する。街角の雑貨屋というよりはコスメショップのSephoraやセレクトショップのUrban Outfittersに近い雰囲気だ。
New Standは2015年にユニオンスクエアに第1号店をオープン後、ブルックフィールド・プレイスやコロンバスサークルにも店を開き、今年新たに20店舗をオープンするとアナウンスしたばかりだ。新店舗は全てニューヨーク市に今年オープンするシティワイドフェリーの船着き場に設置する。
シティワイドフェリーはブルックリンやクイーンズ、ブロンクスのウォーターフロントとマンハッタンをつなぐ新しい交通システム。地下鉄と同じ価格帯で乗れることもあり通勤客の利用が期待されている。New Standはその後、2018年には空港にも進出する計画だ。
ディッチマンは、今の時代にリアル店をオープンするのはリスキーな考えだという事は分かっているという。「今からメディア企業を立ち上げるというのは最も賢明な選択とは言えません。リアル店をオープンするのも同様です。しかし、この2つを組み合わせて収益を考え、体験に根ざしたサービスを提供すれば何が起こるかを考えてみたのです」と彼は言う。
顧客体験という点に関しては、彼のチームは全員がキユレーションやデザインを通じ、新たな形の顧客との関わり方を意識してきた。共同創業者の Lex KendallやDavid Carson、George Alanらはみなアートやファッション、デザインのバックグラウンドを持っている。New Standのアプリはフェリーの通勤パスと連携し、運賃を店で使えるポイントとしても利用できる。
フォーブスはオープンを控えたフェリー乗り場の店舗でディッチマンを取材した。ディッチマンにとってNew Standの運営はテクノロジーと小売業とメディアを融合させる試みだという。その運営理念は「日々を良くするものをニューヨークの通勤客に提供したい」という彼の考えに根ざしている。