Pornhubのヴァイス・プレジデントのコリー・プライスは「この1年で様々な取り組みを行ってきた。無料のVRカテゴリーを設け、VR対応の最新ガジェットも導入した」とVRLAの会場で述べた。
ポルノと言えば昔から世間的なイメージは悪いが、ポルノ自体は悪いものではない。批判している人だって実際は隠れてポルノを見ているのだ。セクシュアリティで博士号を持つ性科学者のLanae St. Johnは、VRポルノの利点を次のように述べる。
「遠距離恋愛中の人や体が不自由な人、性的パートナーがいない人にとってVRポルノは有益だ。相手がいなくてもVRポルノを使えば性欲をうまく安全に処理できる。また、夜の生活を改善するために利用する恋人たちもいる。パートナー同士で使ってポジティブな効果を得ようとしている」
現実世界では得られない体験が出来るのもVRのメリットだ。それが裸体であれ美しい景色であれ、人は魅力的なものを近くで見たい欲望を持っている。部屋に居ながらにして、エベレストに登頂し、その後に濃密な性的快楽を経験できる世界を想像してみてほしい。
ゲームだけでVRの未来は創出できない
かつてのVHS対ベータマックスの戦いの命運をポルノが握ったように、ポルノにはテクノロジーの戦争の行方を変えてしまう力がある。ゲームだけではVRを次のレベルに引き上げることはできないのだ。教育や旅行コンテンツもVRの普及にある程度は貢献するが、アダルト業界なくしてVRは真に発展しない。
「VRポルノは大きな市場になる」とPornhubのプライスは見ている。これからは没入型テクノロジーを開発する企業が続々と参入してくる。この領域にはVRだけでなくARやテレディルドニクス(遠隔操作のセックストイ)も含まれている。技術の進歩をけん引するのは間違いなくポルノだ。
プライスは言う。「今後はヘッドセットが一般化し、テレディルドニクスが普及する。企業らは深い没入感が得られる機器を開発し、すべての五感を刺激するテクノロジーの開発競争に突入する。人間は結局のところ、目の前で起きていることにできるだけ近づきたいと願う生き物なのだ」