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2017.05.16 10:05

FBI長官解任で深まるトランプの「ロシアゲート」疑惑

Photo by Ron Sachs-Pool/Getty Images


FBI長官代理の発言
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このインタビューでの大統領の発言は他にも様々な波紋を呼んでいる。前述の通り、ホワイトハウスは司法省の進言を受けて大統領が解任をしたと説明していたが、トランプ大統領は進言がなくても解任する考えだったと述べている。

その理由として、「彼が良い仕事をしなかったから」という極めて抽象的な発言をしている。また、「彼は目立ちたがり屋だった」と個人の人格を否定するような発言もしている。

前出のNPRの記者は、「大統領が解任した相手とはいえ、その人格を非難するような発言をしたのに驚いた」と話しており、大統領にあるまじき言動だとした。
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このインタビューが放送された日に、議会では情報機関に関する委員会が開かれていた。そこは本来、コミー氏が長官として出席する予定だったが、急きょ、アンドリュー・マケイブ長官代理が出席。その席で、マケイブ長官代理は、「私は自信を持って言えるが、FBIの圧倒的に多くの職員はコミー氏を信頼し高く評価している」と話し、トランプ大統領のコミー氏への中傷を根拠がないものと断じている。


驚くほど静かだった5月16日のFBI本部

後任選び始まるも、大統領弾劾との話も浮上

FBI長官の解任は、トランプ大統領の今後について明らかにマイナスに働いている。その流れを断ち切るためか、大統領は後任の指名を急ぐ考えを示している。しかし、新たに任命されたFBI長官が捜査の独立性を維持できるのか、既に疑問の声が支配的だ。

米国の法律の権威とも言えるハーバード大学ロースクールの2人の教授は、大統領は弾劾されるべきだとの考えを示している。

ノア・フェルドマン教授は、「トランプ大統領が捜査を逃れるためにコミー長官を解任したのであれば、それは当然、弾劾に値する」とツイート。またローレンス・トライブ教授は、「議会がトランプ大統領を捜査妨害によって弾劾する時期が来た」とワシントンポスト紙に寄稿している。

43年前に辞任に追い込まれたニクソン大統領は、自身を捜査している独立検察官を解任したことで捜査妨害の疑いがもたれて下院から弾劾勧告を受けた。そして弾劾の手続きに入ってまもなく辞任している。

文=立岩陽一郎

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