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「第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント」の第一人者。

T.TATSU / Shutterstock.com

中古住宅取引の際にホームインスペクション(住宅診断)について説明することを義務付ける「改正宅地建物取引業法」が国会を通過し、早ければ2018年度から施行される見込みとなったことで、不動産業界は大きく動いた。

ホームインスペクションとは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務で、日本ではまだ馴染みが薄いものの、欧米では当たり前のように行われている不動産取引時の慣行だ。

日本では長らく新築住宅信仰が継続した一方、中古住宅市場の整備が遅れたが、ここにきて国も本格的な中古市場の整備に乗り出したわけだ。

ホームインスペクションが本格普及すれば、中古住宅に対する「欠陥住宅ではないか」「いつごろ、どこに、いくらくらいのお金がかかるのか」 「あと何年くらいもつのか」といった漠然とした不安や懸念が相当程度解消され、中古住宅流通にも勢いが出る可能性がある。



ところが現時点で早速、業界では大きく問題となる動きが起きている。それは「ホームインスペクターと不動産業者との癒着」だ。この癒着は、売主や買主が、不動産業者からホームインスペクターを紹介されたとき、つまり、買主や売主が自らインスペクターを選べない場合に起こる。なぜなら、不動産業者とインスペクターは、仕事をやる側といただく側の関係になっているからだ。

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不動産業者は常に「契約したい」といったモチベーションをもっている。そこで例えば、インスペクション結果に建物の不具合など不都合な真実が出てきたとしよう。不動産業者は、そうした不都合を隠そうと、インスペクターに問題写真や文言の削除を依頼する。この時、インスペクターがこの依頼を断ったら、この不動産業者からはもう仕事が来ることはないだろう。

ホームインスペクションを手掛けるさくら事務所にはしばしばこうした依頼があり、すべて断っているが、次から依頼がくることはない。ということは他のインスペクターが、その業者のインスペクションを引き受けて業者の主張を受け入れているわけだ。

米国ではかつて、ホームインスペクターと不動産業者との癒着が問題となり、州によっては「不動産業者によるインスペクターの紹介は禁止」になっている。オーストラリアでもやはり「売り主のインスペクションは虚偽が多い」と問題になり、買い主がインスペクションする仕組みが創設されている。英国でも同様に買い手がホームインスペクションを依頼している。インスペクションはあくまでも、買い手が選んだインスペクターが行うのが望ましいのだ。

また「無料インスペクション」にも注意したい。なぜ無料なのか、その理由を考えるとよいだろう。そこには100%の確率でリフォームや耐震工事のプレゼンが付いているはずだ。

ホームインスペクションで大事なのは、あくまで第三者を立て、買主あるいは売主が自ら選んだインスペクターに依頼をすることだ。これでインスペクターの第三者性は確保できる。

文=長嶋 修

 

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