そのジェイ・Zが、前回をさらに上回る金額でライブ・ネイションとのツアー活動の契約を更新した。今回の10年契約の金額は2億ドル(約230億円)に達するという。
ライブ・ネイションの社長でCEOのマイケル・ラピーノは5月11日に公開した声明で次のように述べた。「ジェイ・Zは世界の音楽ライブ業界で最も価値のあるアーティストだ。今回の契約で、クリエイティブとビジネスの両面で彼との関係を強化し、彼の活躍の場をさらに広げていく」
ジェイ・Z側はこう述べた。「ライブ・ネイションとは9年以上の付き合いになるが、世界の様々な都市で歴史的瞬間を生み出してきた。マイケル・ラピーノは業界のビジョナリー的人物であり、今回の契約は彼や才能あるライブ・ネイション社員らと今後もパートナーシップを続けることの宣誓だ。この先の10年も、ライブ業界を根底から変えるチャレンジを続け行く」
ライブ・ネイションもジェイ・Zも契約の詳細には触れていない。しかし、今回の契約は以前のものとは違い、ジェイ・Zのライブ活動のみを対象としたものになると伝えられる。以前の契約ではアルバムに対する前払金も支払われていたが、今回の契約にはそれが含まれていないようだ。
ジェイ・Zは先週、フォーブスが発表した「ヒップホップ界長者番付」でディディに続いて2位にランクインした。ジェイ・Zの資産額は8億1000万ドル(約925億円)で、ディディとの差はわずか1000万ドルとなっている。
マドンナ、U2も在籍の業界最大手
ライブ・ネイションがその名を世界に轟かしたのは、マドンナが2007年にそれまで25年間在籍したレコード会社のワーナーミュージックを離れ、同社と独占契約を結んだ時だった。その際は10年の契約で1億2000万ドル(約140億円)をマドンナは手にしたと言われている。
その後もライブ・ネイションはU2やレディ・ガガといった大物アーティストと独占契約を行い、従来はレコード会社が支配権を握っていた音楽業界の座組を根底から変えた。
コンサート運営だけでなく傘下のチケットマスターを通じたチケット販売や、広告事業、アーティストマネジメントの4つを柱とするライブ・ネイションは近年売上を急増させており、2016年の売上高は83億5400万ドルに及んでいる。