ビジネス

2017.05.17

「ビジネス課題」を解決する、日本とアジアのワークプレイス4選

チームラボが設計を手掛けたピクシブ本社


NHNエンタテインメント本社(ソウル)

アジアのワークプレイスを牽引韓国の若者を引きつける秘策

NHNエンタテイメントは、2013年にNHNからゲーム事業が分社化された世界的ゲームカンパニー。売上高は848億円、従業員は関連会社も含め1500名(16年)。西海岸の価値観を韓国で体現し、強いトップダウンでテックタレント向けに戦略的なワークプレイスデザインを行う。

特筆すべきは、手厚い社員サポート。朝食・昼食・夜食も無料。オフィス併設のジムも社員は無料で利用できる。女性社員には授乳室が完備。近隣に新たに託児施設も建設中。社員の心と体のコンディションは会社の生産性に直結するという明確なコンセプトを持つ。





競争力を高めるため、「開発」と「コミュニケーション」のスピードアップを図る狙いで設計されたオフィス。コンセプトデザインは同社のブランドチームが手掛けた。地上10階、地下1階建ての中央に位置する「中階段」は、フロアによって分断されている社員たちを繋げる機能を果たしている。

ナショナル・オーストラリア銀行本社(メルボルン)

働き方先進国・オーストラリア 場所と時間を仕事から切り離す

オーストラリアでは、NABに代表される大手金融機関の多くが、時間と場所を既定せず、ワーカーが働き方を選択できる「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」を採用。ABWでは、個人ワークは在宅など、各々が生産性の上がる場所で実施するため、企業はチームワークの場所だけを持つコンパクトなハブを都心に用意すればよい。

NABのオフィスは、ビジネス街の中心・サザンクロス駅からわずか100m。ワークライフバランスの実現、長時間の車通勤からの開放、豊かな都市体験など、ウェルビーイングな生活をワーカーに提供する。





空間のコンセプトは、ワーカーに自由と開放感をもたらすこと。そして、個人に自由を与えるステージを超え、チームが自由に働ける環境の提供すること。「チームのための空間づくり」が各所で意識され、チームが集う場所として「ハブ」と呼ばれるスペースが各フロアに全8カ所設置されている。

山下正太郎 = 監修 フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.34 2017年5月号(2017/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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