「汚れずにおわない服」開発の米企業、新テクノロジーでCO2削減目指す 

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コットン素材の衣類が耐えられる洗濯の回数(寿命)は、40回程度とされている。だが、新技術を採用することで、衣服の寿命は少なくとも10倍に延ばすことができる。また、冷水で洗濯すれば、さらに長持ちさせることが可能だ。フィリウムで撥水加工を施した生地には速乾性があるため、乾燥機を使う必要もない。節電と同時に、衣類の寿命をさらに延ばすことにもつながる。

洗濯・乾燥の回数を抑えられるということは、CO2排出量を減らせるということであり、節水・節電が可能になるということは、湖や河川、海などに放出される排水量も減るということだ。

フィリウムは安全なテクノロジーだ。分解されて皮膚に侵入したり、環境に浸出したりする可能性があるナノ粒子、有害な化学物質などを使っていない。洗濯の回数を減らし、廃棄物を減らすことで、地球に大きなプラスの影響を及ぼし得る画期的な技術だ。

撥水性のある生地はフィリウム以外にもあるが、それらはナイロンやポリエステルなど石油由来の素材であり、製造すればより多くの石油やエネルギーを使用する。これらの素材と似た機能を備えた天然素材の衣類を使用することは、排出量の削減に向けたより良い方法だといえるだろう。

編集 = 木内涼子

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