ビジネス

2017.05.15

企業が「ネット拡散」を目指すべきではない理由

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突出するマーケティング

そのためマーケティング担当者は、単に目立つだけでなく、オーディエンスにとって関連があり、役に立ち、適切な内容にすることが大切だ。

「ネットでの拡散は、企業が望むべきものではなく、もし起きたとしたら嬉しい偶然の出来事だ。これを求めて努力する価値はなく、企業が積極的に目指すべきものでは決してない」とハンドリーは言う。

では、反響を呼びシェアされるマーケティングメッセージを作るにはどうしたらよいのか。

まず、「シェア能力」は作り出せるものではない。偽りがなく、覚えやすいキャンペーンにするためには、創造力と洞察力が必要だ。オーディエンス層を知り、そのニーズに応え、オーディエンスに何をしてもらいたいのかを明確にすることが、優れたマーケティングの秘訣(ひけつ)だ。

「マーケティングとは、アートと意図の組み合わせ」とハンドリーは言う。「創造力は一つの大きな要素だ。もう一つの要素は意図。つまり、自分は何を動かそうとし、相手に何をしてもらいたいのか。この2要素があれば、素晴らしいマーケティングと、素晴らしい瞬間を作り出せるはず」

感情移入がカギ

反響を呼ぶコンテンツ作りを目指すマーケティング担当者が見落としがちなもう一つの要素は、感情移入だ。顧客の苦しみ、心配、弱さ、憧れを理解すること。それが何か分からなければ、顧客に会ったり、調査を行ったり、定期的にフィードバックをもらったりして、顧客に直接質問をぶつけることをハンドリーは提案している。

「より深いところまで入り込む必要がある。ビジネス成功のためのマーケティングを実践している会社で、私が話したところはいずれも、自分の顧客のことが頭から離れないようだった」

編集=遠藤宗生

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