アップルが開発中の次世代ディスプレイ「マイクロLED」の革新性

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アップルウォッチのユーザーたちは、そこに搭載されたOLED(有機EL)ディスプレイの素晴らしさを実感していることだろう。特に最新のシリーズ2モデルのディスプレイは第一世代と比べ大きくて明るいものになっている。

そして、アップルは今後のアップルウォッチにさらに新たなテクノロジーを投入しようとしているようだ。Business Koreaの報道によると同社は、アップルウォッチ向けに既存のOLEDに代わるマイクロLEDディスプレイを開発中だという。

アップルは2014年にマイクロLEDの開発を行うLuxVueを買収している。マイクロLEDの利点はまず、省電力性にある。どんなガジェットであろうと電力消費を抑えることは必須の課題だが、小さなスペースにバッテリーを搭載しなければならない腕時計ガジェットにおいて、省電力性は特に重要だ。

従来の液晶(LCD)を超える省電力性や薄さを実現したのがOLEDだが、マイクロLEDはさらにその先を行くテクノロジーとして注目を集めている。なかでもLuxVueは既に多様な特許を出願していることで知られ、この分野をリードする存在だ。

同社が2015年に出願した特許には「発光機能とセンサー機能を兼ね備えたLEDを採用した、ディスプレイパネル」との記述がある。ここで注目すべきは、センサー機能の部分だ。アップルは今後のiPhoneで指紋センサーの物理ボタンを廃止し、ディスプレイにセンサーを内蔵しようとしているとの報道を耳にした読者は多いことだろう。

アップルウォッチはアップルが初めてOLEDディスプレイを導入した製品だ。そして、それに続く形で今年発売の新型iPhoneにOLEDが採用されようとしている。ここから推測されるのは、アップルはまずアップルウォッチで指紋センサー内蔵のマイクロLEDディスプレイを採用し、その次にiPhoneに同じ技術を導入するという流れだ。

現状では大型のマイクロLEDの製造は非常に難しく、アップルがウォッチでそれを試すのは自然な流れと言える。しかし、将来的にはiPhoneにおいてもマイクロLEDが非常に重要な役割を担うことになりそうだ。

リーク情報によると新型アップルウォッチは今年の秋にも発売されるという。マイクロLEDディスプレイの市場への投入はもうすぐそこまで迫っているのだ。

編集=上田裕資

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