中国ではオンライン人口の約半分にあたる3億2400万人が、既にライブ中継サービスの利用経験を持つ。ミレニアル世代のサービス利用率は83%に及び、利用人口は今年中に4億1400万人に達すると予測されている。
中国で絶大な人気を誇るデートアプリ「Momo(陌陌)」はライブストリーミング機能を売りとしており、昨年の売上は5億5300万ドル(約627億円)に達した。また、中国全体でライブストリーミング市場の売上は2015年時点で22億5000万ドル(約2250億円)に及んでいる。
この分野は急激に成長を果たし、テンセントやタオバオ、ウェイボーらも独自のアプローチで市場に参入している。
中国でなぜここまでライブストリーミングが人気なのか。テンセントの調査では、ライブストリーミングは特に地方部から都会に出てきた若者に人気で、孤独感を和らげる目的で利用されているという。収入的には中間層から高収入層の利用が多く、半数以上が大学以上の学歴を持っている。コンテンツとしてはゲームやスポーツ、ライフスタイル系やショールーム系のものが人気という。
モバイル経由のネット接続の普及が、ライブストリーミングの人気を後押しする。中国ではスマホユーザーの4分の3が4G環境下にある。
サービスを通じ現金が得られることも人気の要因だ。各社のプラットフォームでは、バーチャルギフトを用いた現金のやり取りが盛んに行われており、月に2000ドルを稼ぐユーザーも珍しくはない。
また、ライブストリーミングを通じた広告も盛んだ。タオバオのようなEコマースサイトでは、ライブ動画で商品の告知が行われ、非常に有効なプロモーション手段として認知されている。