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籍を残したままの兼業のため、経験をすぐに自社にフィードバックすることができたという後藤幸起。「社内のコミュニケーションの仕組みを変えたり新規事業のアイデアが生まれたりしています。常に新しい挑戦ができる仕組みを導入し、時代に合わせた働き方を率先してやることに意義があると考えています」と語る。

組織や国を超えた「越境」学習を取り入れる企業の狙いは、思考の枠や業界の枠を超えてイノベーションを起こすことにある。体験者の話を聞いた。


企業間のレンタル移籍という出向制度を活用した人材育成プログラムを提供するローンディールの原田未来は、一つの専門性や分野だけではなく、複数の分野を経験することでこれまでの固定概念にとらわれない新たな発想を生み出す人材を「越境人材」、人材育成においてこうした異分野異ジャンルへの越境を取り入れる手法を「越境学習」と呼んでいる。

「越境学習は、分業化された部署では経験できない多様な経験を積み、それを企業内に還元することで、組織全体の学びと働き方改革の柱となる人材育成プログラムだ」と原田は語る。

ローンディールの考えに共感し、役員自らがベンチャーに出向した事例がある。実践者は、システムの受託開発やエンジニアの派遣を行うテクノライブ取締役の後藤幸起。飛び込んだ先は、代表とエンジニアを含めて社員が2名しかいない、小中高の教員向けのSNSなどを運営する教育系ベンチャーのLOUPEだ。

自社のテクノロジーの遅れを実感

後藤はテクノライブに在籍したまま、週3回のパラレルワークでLOUPEに半年間出向。法人営業や組織内人事、マネジメントなどを担当した。そこで目の当たりにしたのは、自社のツールの遅れだった。

例えばベンチャーであれば当たり前に使われているGoogle Appsなどのクラウド型グループウェアや、Slackなどの社内コミュニケーションツール。テクノライブでは、大手が提供するグループウェアやシステムを導入していたがその機能の多くが活用できておらず、コミュニケーションコストがかかっていた。

また、自分たちの技術力が、市場でどんな価値があるのかを測ることも少なかった。ベンチャーに飛び込んだことで自社に対する危機感を覚え、これまでのあり方を見直すきっかけになったという。

「エンジニアの技術の向上は日々凄まじいものがあります。大手のシステム開発ばかりやっていては新しい技術を学ぶ機会も少ない。新たなプログラミング言語や開発の手法を積極的に取り入れながら、自社の価値をもっと高めていかないといけない、と感じました」と語る。

また、「会社という組織自体のあり様を見つめ直すためにも、外を経験してきた人間を社内改革や新規事業にアサインするべきと感じたという。今年夏からは、40代の営業責任者が後藤同様にベンチャー企業に出向する予定で、準備も進めている。

日本の常識が通用しない新興国で学ぶ

国を超えた越境学習を制度化し、積極的に活用しているのがハウス食品グループ本社だ。若手のグローバルリーダーシップ教育の一環として、2014年からNPO法人クロスフィールズが提供する「留職」プログラムを採用している。

このプログラムは、国内企業の若手を東南アジアなどの新興国にある社会課題に取り組む企業やNPOに派遣するもので、参加者は本業で培ったスキルや知識を活用し、現地のNPOや団体で、数カ月にわたって事業に携わる。現地での学びを社内に持ち帰り、共有するというのがポイントだ。

留職プログラムに参加したハウス食品グループ本社、加藤大貴に話を聞いた。11年新卒入社後、小売店営業を経験するなかで、開拓営業が自身の性に合っていると実感。次第に海外へと目を向け始めた。

文=江口晋太朗

 

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