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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

AsMama、甲田恵子代表取締役社長(岡田晃奈 = 写真)

昨年、スタンフォード大学に講師として呼ばれた。甲田恵子が代表を務めるAsMamaは、ワンコインで顔見知り同士が子育てをシェアできるサービス。海外からも熱い視線が注がれるのはなぜか。

「自分たちの手で世の中を良くしようとし、そして自立経営している。そこを凄く面白がってもらえた」

そう甲田は振り返る。AsMamaは「株式会社」であることにこだわる。

30代前半まではキャリア志向の強いビジネスパーソンだった。娘の保育園への迎えもいつもクラスで最後。数時間で1万円が飛ぼうと、繁忙期はシッターの手を借り乗り切った。

それなのに。2009年1月、勤めていた会社から「9割の人を解雇する」と告げられる。やりたいことができる環境は、自分で整えるしかない。そんな思いに駆られ、職業訓練校へ。そこで人生が新たな方向に動き出す。

職業訓練校には、スキルがありながらも、子育てや介護といったライフステージの変化で“辞めざるを得なかった人々”が多く集まっていることに気付いた。

「もの凄い労働力がここにある。世の中の損失だな、と強く思いました」

その頃、子育て中の元保育士の女性にも出会った。かつての綱渡りの日々を話すと「喜んでみてあげるのに」と言ってくれた。自分が幼い頃、何かあれば団地の別の階の顔見知りを頼っていたことを思い出した。

「預けたい人と、預かる人。一般の人々がバスに乗るような感覚で使える、安心安全の仕組みをつくりたいと思いました」

目指すのは「共助のインフラ」。頼り、頼られることで豊かな社会をつくりたい。だから、ユーザーからの手数料で収益を上げるのは違う、と思っていた。では、どのように収益を上げるべきか? モデルが思いつかぬまま街頭インタビューを行っていると、母親たちは孤軍奮闘しているのでは、と感じた。

住宅や不動産、医療に関する情報が欲しくても、誰に聞いたらいいのか分からない。半径数メートルでの噂話を鵜呑みにしてしまう。それなら、プロに聞くことはできないか。企業だって、ニーズのある人々に情報を届けたいはず。企業を巻き込む収益モデルを思いついた。

地域でコミュニティをつくり、来館誘致したい商業施設などとイベントを協働することで企業から活動資金を得る。だから、サービスの利用料をユーザーから取らずに済む。

「仕事って、唯一、地球の裏側までインパクトを及ぼすことができるかもしれないもの」と甲田は言う。

街中で人々の声を聞き生まれたアイデアが、大きな可能性を持ったプロジェクトとして動き出している。


甲田恵子◎AsMama代表取締役社長。ベンチャー投資会社などで広報やIRを担当した後、2009年、AsMama(アズママ)を設立。1時間500円で顔見知り同士が子供の送迎や託児を頼り合えるサービスを展開する。いわば、昔の“ご近所付き合い”の現代版。現在、会員数は4万人を超える。

古谷ゆう子 = 文

 

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