調査会社カム・リコメンデッド(Come Recommended)が米国の不妊啓発週間(4月23~29日)に合わせて発表した新たな報告書によると、不妊治療を受けている人たちの半数近く(47.1%)が、そのことを職場の人たちに公表していなかった。また、そうした人たちのうち、職場には従業員をサポートする体制があると回答したのは、わずか28.66%だった。
職場が支援をしてくれないことが理由で「退職した」人は29.72%。「転職先を探している、または転職する用意がある」人は26.85%、「仕事を続けることに不満を感じている」人は31.85%だった。
不妊治療には長い時間がかかる場合もある。血液検査や経過観察など、ほぼ毎日のように病院に行かなくてはならない時期もある。同僚や上司に治療について伝えておくこが重要だ。治療の開始にあたっては次の5つのステップを踏んで、計画を立てることが考えられる。
1. 自分なりに計画
上司に相談する前に、まずは医師や体外受精による不妊治療の経験者に話を聞くことだ。どのくらい休暇を取得する必要があるのか、治療中にはどのような気持ちになるものなのかなど、直接会って話を聞き、教えてもらうといいだろう。その後で、いかに自分の仕事と両立させるか、自分なりに計画を立ててみるのだ。
2. 時期を見極める
治療を受ける時期は、毎年仕事の量が少なくなる時期を選んだ方がいいだろう。例えば毎年年末が非常に忙しく、年明けはそうでもないというなら、1月に予定を入れるのがよさそうだ。
3. 人事部に相談する
育児・介護休暇やフレックスタイム制の利用などについて、人事部に相談することだ。提供されている選択肢について詳しく説明してくれるほか、上司に相談する際のヒントなどももらえるかもしれない。
4. 上司には直接相談
上司に相談するときは、オフィスの外でお茶を飲んだり昼食を取ったりしながら話すのがいいかもしれない。上司との関係によって、どのような切り出し方がいいかは異なるだろうが、必要なのは不妊治療について、病気などと同様に医師の助けを必要とする「治療」なのだと説明することだ。そして、その説明はできる限り簡潔にするのがいいだろう。
5. 同僚に報告する
休暇を取る理由について同僚に報告しなければならないという決まりはない。だが、なぜ仕事を休むのかはできる限り、正直に伝えておくのがいいだろう。そうすれば、同僚たちは、なぜあなたが出勤しないのかについて余計な憶測をしたり、間違った考えを事実と思い込んだりすることもない。