今回発表された「FaceApp」は、ディープニューラルネットワークを活用した技術で表情を絶妙に変化させる画期的アプリだ。表情を笑顔に変えたり、顔の輪郭をシャープにしたり、年老いた姿にするなど既存のアプリの機能も多いが、驚くべきはその編集方法だ。
FaceAppは写真をクラウド上にアップロードし、AI技術を利用して自然な表情を演出する。仕上がりは良い時もあれば悪い時もある。良い結果を出すには顔のサイズが小さく、ひげはなく、カメラ目線の写真でなくてはならない。それ以外の写真だと悲惨な結果になることもある。
しかも、肌は白い方がうまく加工される。これは人種差別だという批判にもつながっている。このアプリには顔がシャープになる“ホット”というフィルターが用意されているが、使ってみると肌の色が若干白くなる。色白のほうが美しいという価値観なのかもしれないが、今の時代のアプリとしてはユニバーサルな観点が少し足りないのかもしれない。
FaceAppを考案したのはロシアのアプリ開発会社Wireless LabのCEOのYaroslav Goncharovだ。彼はニュースサイト「The Verge」に掲載された声明で「FaceAppの技術は独自に開発したもので、これほどのクオリティは他のアプリでは不可能だ」と述べている。