劣悪な職場を逃れた後、休憩期間を設けるべき理由

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ひどい仕事は、トラウマを生むこともある。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を崩し、天井知らずのストレスを生み、健康を害し、社会人や人としての価値に疑問を抱かせる。

ひどい仕事に就いていると、より良い場所へ今すぐ逃げ出したいという衝動に駆られる。どんな仕事であれ、ここよりはましに違いない──と。

だが早まってはならない。目の前に現れるそこそこなチャンスに飛びつきたくなる衝動を抑えた方が、長期的にはうまくいく。地獄のような職場を去った後は、できればしばらく休んだ方がよい。その理由を説明しよう。

振り返りの時間が必要

フライパンから飛び出して火の中に落ちるように、再び相性の悪い職につくのは絶対に避けたいはずだ。なぜ思い通りにいかなかったのか、それを防ぐには何ができたかを考える時間が必要だ。

悪い前兆を見逃さなかったか? これは自分のキャリアの中で起きている、より大きなパターンの一部か? この仕事のどこかに、次の職場にも期待するような良い点はあったか?

これらの質問に答えを出し、同じシナリオを避けるためは、時間と知的な道のりが必要だ。私は数か月前、知人から働いている会社が大幅な人員削減をする予定だと打ち明けられ、会社からリストラされる前に自ら去るべきだと思っているが、焦るあまり同じような不安定な会社に再就職してしまうのでは、と相談された。彼女は結局、時間をかけて転職活動に臨み、自分にぴったりの職場を見つけた。

優先事項が見えてくる

オープンオフィス(大勢の社員が机を並べて働く広いオフィス)で働くことは自分にとって大した問題ではないと思っていても、実際勤め始めるとみじめな気持ちになるかもしれない。スタートアップへの参加直後は熱意にあふれていたが、力不足の経営者の下では、たとえビールをおごってもらえても埋め合わせにならないと気づくかもしれない。

泥沼の別れの後、次の恋人を探すまでに休憩期間を設けるのと同じで、仕事と仕事の間に期間を開けることで、次の仕事では絶対に譲れない点が見えてくる。新しい仕事を探す前に反省期間を持たなければ、自分により合った仕事は見つからない。

候補者としての魅力が増す

求職活動には、できるだけ曇りのない状態で臨みたい。あなたが苦々しい気持ちや必死さ、前職でのトラブルを引きずっていれば、採用担当者はそれを見抜くものだ。こうした候補者は内定をもらえない傾向にある。

ただでさえストレスが多い求職活動。仕事と仕事の間に短い休暇を取ることで、より頭脳明晰(めいせき)な状態で、慎重に臨むことができる。採用担当者からの「前職について教えて下さい」との質問に涙ぐんだり毒舌をふるったりしないよう、気分を落ち着かせ、候補者としての魅力を増してから臨もう。

編集=遠藤宗生

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