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2017.04.29 16:00

見た目で選びがちな「クロノグラフ」の知っておきたい機能と歴史

ブライトリングの「ナビタイマー01 ブラック ブラック」。インダイアルは、3時の位置にあるのが「30分積算計」、6時の位置にあるのが「12時間積算計」、9時の位置にあるのが「秒針」。

ブライトリングの「ナビタイマー01 ブラック ブラック」。インダイアルは、3時の位置にあるのが「30分積算計」、6時の位置にあるのが「12時間積算計」、9時の位置にあるのが「秒針」。

機能はさておき、見た目という点において、常に男性の人気が高いのがクロノグラフモデルだろう。ダイヤルに指針が数多く存在し、いかにもメカニカルな風貌を持っているのがクロノグラフモデルの大きな特徴だ。

そして、このモデルを購入するひとの多くは、まずデザイン面から興味を持つことが多いようだ。

クロノグラフとは、ラテン語の“時間=CHRONOS”と“記録する=GRAPH”を併せた合成語。時計の世界ではこの名称が広く使われているのだが、わかりやすく言えば、ストップウオッチ機能のことである。

クロノグラフのモデルには、常に進み続ける時間に加え、人為的に時間を切り取って測定、表示する小さなダイヤル=インダイヤルが存在する。

最もポピュラーなのが、インダイヤルが3つあるタイプ。典型的なのが、12時間積算計、30分積算計、通常の時刻を表示する秒針(スモールセコンド)を表示しているものだ。そして、3針時計のセンター秒針の位置にあるのが、ストップウオッチ針。1周で60秒を計測し、インダイヤルの積算計と連動するのである。

そんなクロノグラフが初めて商品化されたのが1879年。ロンジンの「ルグラン」という懐中時計であった。そして、商品化されたクロノグラフは、実践の場で使われ、進化していくのである。
 
ルグランのような懐中時計型のものは、第一回アテネオリンピックで採用されるなど、速さを正確に計ることを突き詰めて精度を高めていった。そして20世紀初頭には、すでに1/100秒単位の計測をも可能にしたものも開発されている。

腕時計においては、1915年にブライトリングによって製作されたものが最初となる。

この時、ヨーロッパは第一次世界大戦下。ブライトリングは、航空機のパイロットにこのクロノグラフモデルを提供する。当時のパイロットは、飛行時間から燃料の残量を計算していたので、時間経過を正確に知ることのできるクロノグラフは、最高のパートナーとなったのである。
 
常に進んでいく時の流れから、知りたい時間を切り取る。これがクロノグラフに与えられた最大の機能である。

近年は機能的にも進化し、4つのインダイヤルを持つモデルも出てきている。ただ、人気なのは60~70年代に多く見られた2つのインダイヤルが横に並んだタイプだ。

ここ数年の傾向に復刻時計があるが、そのなかには必ず2カウンターのクロノグラフモデルが含まれている。どれもがクラシカルでお洒落なデザインなので、要チェックである。

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BREITLING / ナビタイマー01 ブラック ブラック
航空用回転計算尺を装備したパイロットのためのクロノグラフ。半世紀以上続くロングセラーでもある。このモデルは初代を彷彿とさせる配色で、ホワイトゴールドのエンブレムを掲げたモノトーンフェイスが特徴。[自動巻き、SSケース、43mm径、110万円 問:ブライトリング・ジャパン 03-3436-0011]

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MONTBLANC / モンブラン 1858 クロノグラフ タキメータ― リミテッドエディション
1930~40年代にクロノグラフにおいて一世を風靡したメーカー、ミネルバは2007年よりモンブラン傘下に。2カウンターインダイアルの距離を離した設計はミネルバの個性。これを現代に甦らせ、かつブロンズケースでヴィンテージスタイルを強調したモデルだ。[手巻き、ブロンズケース、44㎜径 324万2000円 問:モンブラン コンタクトセンター 0120-39-4810]

編集=福留亮司

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