キャリーがレーベルを立ち上げるのはこれで3回目だ。ここでは起業家としての彼女の歴史を振り返ってみたい。
キャリーは1997年に初めてのレーベル「Crave Records」を立ち上げた。当時、既に6枚目のアルバムを発表、多くの楽曲がビルボードのHot 100で1位に輝いており、レーベルを立ち上げることがアーティストとしての次のステップであることは明白だった。
このレーベルは長続きしなかったが、何人かの人気アーティストを輩出した。その中でも最も名が知れているのが女性R&Bグループのアルーアだろう。「オール・クライド・アウト」がトップ10入りを果たし、「ヘッド・オーヴァー・ヒールズ」は40位以内に入った。他にも7マイルやDJ CompanyがHot 100にランクインしている。
キャリーには莫大な資金があったがCrave Recordsは創設から約1年で運営を停止した。
その後、キャリーは2002年に再びレーベルを立ち上げる。新レーベル「MonarC Entertainment」はアイランド・デフ・ジャムの傘下に設立され、彼女自身もこのレーベルと契約していた。キャリーはこのレーベルから自身のアルバムを2枚リリースしている。
1枚目のアルバム「チャームブレスレット」はあまり振るわなかった。ビルボード200での最高順位は3位で、Hot 100にランクインしたシングルはわずか1曲。その1曲も40位には届かなかった。2枚目のアルバム「The Remixes」はキャリーのヒット曲のリミックスが収録された。リミックス盤は通常あまり売れないが、このアルバムの売上も1枚目よりも低かった。
2枚目のアルバムのリリース後にMonarC Entertainmentは事実上の休止状態に入った。当時はキャリー自身も低迷期を迎えていた。
そして新たに立ち上げられた3つ目のレーベルがButterfly MC Recordsだ。発表によると今回のレーベルでは新人の発掘よりもキャリー自身の音楽をメインとするようだ。キャリーはこの数年でヒット曲を出せていない。かつての輝きを取り戻してくれることを願いたい。