米ホステルワールド・グループ(Hostelworld Group)は4月24日、こうした点を明らかにするために実施したアンケート調査の結果を発表した。
170を超える国の約3万3000軒のホステル(簡易宿泊所)を対象とし、19以上の言語で事業を展開する予約サイト、ホステルワールド・グループは、「トラベラーズ・フットプリント(旅行者の足跡)」と銘打ちこの調査を実施。旅先の地域経済への影響や寄付、永続的な社会的つながり、社会奉仕といったあらゆる視点から、旅行者の影響力について調べた。
ホステルワールドの最高経営責任者(CEO)は旅行について、「世界を知り、異なる文化について学び、新たに多くの人たちと出会い、創造性を刺激し、永続的な関係を築く機会だ。その他にも、さらに多くのチャンスを得ることができる」と述べている。また、旅行者が自覚をしているか否かに関わらず、訪問先に大きなプラスの影響をもたらしているという。
アンケート結果
旅行者たちは本人が自覚している以上に、訪問先のコミュニティーに大きな影響を及ぼしているようだ。
調査に参加した旅行経験者の圧倒的多数(79%)は、帰国後も何らかの方法で訪問先のコミュニティーとの関わりを維持したと答えた。繰り返し訪れることや、旅行先として他の人に勧めること、地元の人々と連絡を取り続けること、地元の慈善事業に寄付をすることなど、さまざまな関り方をしていた。
また、回答者の半数近く(44%)は旅先に影響を与えたとは思っていなかった。だが、旅行者と旅先の人たちの互いに対する影響力を示す結果といえるだろう。回答者の45%は、過去に訪れた場所を再び訪問していると答えた。
自分が過去に訪問した場所を他の人に勧めたことがあると答えた人は82%に上り、23%は訪問先の地元の人たちと連絡を取り続けていると回答。また、36%は旅行先で生涯の友人に出会ったと答えた。
調査ではそのほか、以下のようなことが明らかになった。
・年間10回以上旅行をする人は、訪問した場所やその土地で出会った人たちとより有意義な関わりを持つようになる。こうした人たちのほとんど(92%)は、訪れた複数の場所に、定期的に繰り返し訪問している。また、その地域社会への寄付を行う人も多い。
・旅行の回数が多い人ほど、旅行中に社会奉仕活動に参加する人が多い。こうした「パワー・トラベラー」たちは、旅行先で生涯の友人を得る可能性がより高くなる。
・回答者の76.43%が、ある場所に旅行したことがきっかけで、その近辺の別の場所や、全く別の場所を訪れることになった経験があると答えた。
・回答者の9%近くが、旅行中に知り合った人と恋愛関係になったことがあると答えた。
・所得水準の低い旅行者(年収2万4999ドル、約275万円未満)の方が、旅行中に社会奉仕活動に参加する人が多かった。これらの人のうち、社会奉仕参加した経験がある人の割合は39.24%に上っている(米国内でこうした活動に参加した経験がある人は、平均27.62%)。
調査は2017年3月、インターネット調査のサーベイモンキー(SurveyMonkey)を通じて実施。米国在住の18~100歳の男女1000人以上から回答を得た。