「見えない」チームメイトとの距離を埋めるITツール11選

VRを使った仮想コニュニティのプラットフォームを提供するAltspace VR。海外では遠隔地でつながっているコミュニティのイベントなどの事例が増えている。


8. Appear. inURL一つで即席ネット会議
即席のビデオチャットルームをつくることができるサービス。会議の主催者がURLを発行し、参加者はそこにアクセスするだけで参加することができる。サインインやインストール不要なため、不特定多数との会議や一度限りの用途にも適している。

─利用者の声
他のビデオチャットサービスと比べて構造がシンプルなのと、音声や画像の品質が良いのが特徴。アカウント情報などをチャット相手に開示する必要がないため、海外との採用面接など、やりとりがその場限りになる可能性がある場合にも向いている。URLにアクセスすれば誰でも会話に参加することができる作りだが、ロック機能を使えばアクセスを制限することができる。(藤井)

9. cluster.VR空間でイベントを開催
仮想空間で勉強会やイベントを開催することができる日本発のソーシャルサービス。集会は1000人規模まで可能で、ユーザーはアバターとして参加する。

10. グーグル ハングアウトGmailユーザーは特殊な設定不要
グーグルのオンライン会議サービス。グーグルのアカウントがあれば使えるという手軽さが特徴。リモートオフィスと常時接続しているという企業も。

11. ChatWork業務分担もチャットで管理
タスク管理機能を備えた日本発のビジネスチャット。チャット中に発生した仕事をツール内でタスク化し割り振ることができ、完了時には通知が送られる。

「仕事」の概念そのものが変わる
──坂上聖奈 Pedia News代表

昨年アメリカでTwilioが上場、マーケットの反応も非常に良かった。B2BのサービスはIPOへの注目度も含めて盛り上がっている。私も海外とのやり取りで使っているビデオカンファレンスサービスの「Zoom」も年初にセコイアから1億ドル調達。いわゆるユニコーン企業になっている。

これからは、クローズドなコミュニティがどんどんオープン化される。異なる組織、会社もシームレスにつながる。場所と時間にも同じことが言える。私は、仮想現実とリアルが融合されていくAR、VR、MRと同じ文脈で、プライベートの時間と仕事の時間の境界も曖昧になり、「働く」という概念そのものが変わってくる、と考えている。趣味や勉強が仕事につながったり、また逆もあったり、と。会社の中の自分というよりも、より個人に焦点が当てられていく時代になるのではないだろうか。

働く環境に柔軟性をもたらす
──藤井幹大 ザッパラス デザイナー/プロジェクトリーダー/デザインファシリテーター

ザッパラスには恒久的な部署はなく、「プロジェクト」単位で仕事が進むため、プロジェクトリーダーにメンバーの働き方を含めた自治が任されている。プロジェクトによっては状況に応じたリモートワークを取り入れているなど、常に全社メンバーがオフィスにいることが当然ではない。そのため特にコミュニケーションの点でツールに頼るところが多い。

社内のやり取りは、主にSlackを使っている。メンバーを柔軟に変えられ、デバイスを問わず常に連絡が取れるということが利点だ。これは、考えようによっては、常に仕事をしなければならないという環境に身を置くということ。しかし当社では、業務時間外に返信を必須とするような文化は無いため、通知に追い回されるという話は聞かない。ただ、当然対面での対話の方がうまくいく業務もあるため、協働と集中のバランスをどうとるかが今後の課題であると考えている。

文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.34 2017年5月号(2017/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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