レディー・ガガの復活劇から学ぶ、低迷事業を救う5つの方法

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3. 訴求対象を定める

ガガがポップスターの地位を奪還するには、彼女に忠実なファン以外の層にも訴求する必要があるのは明らかだった。そこでガガは米国のメインストリーム層の取り込みを目標に設定。米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の王者決定戦、スーパーボウルでの昨年の国歌独唱や今年のハーフタイムショーへの出演が復活劇の中で重要な役割を果たしたのもそのためだ。

両パフォーマンスは、何百万人もの新旧ファンたちに新生ガガを見せる機会となった。こうした大きなステージに出演したことでメインストリームの視聴者とのつながりを再構築できただけではない。かつてガガから連想されたポジティブな特徴(楽しさや、多様性を尊重する姿勢、華々しさ)にもう一度気付かせる一方で、否定的な側面(奇抜さなど)を避けたパフォーマンスを作り上げることができた。

復活を目指す企業は同様に、訴求すべき層を特定しなければならない。これはスーパーボウルの視聴者のような最大のオーディエンス層ではなく、焦点を絞った活動で働きかけることができる特定のキーインフルエンサー(重要な影響力を持つ人物)層である場合が多い。企業の将来的な成功に不可欠な層とつながり、彼らが魅力的だと感じる価値や特徴を際立たせるためにコミュニケーションやエクスペリエンス(体験)を戦略的に設計する必要がある。

4. 注目を集めるブランド広報活動を企画する

世間の注目を誰もが追い求める現代では何をするにも、まずは人々の関心を引く必要がある。レッドブルの成層圏スカイダイビングのように、多くの企業はスタントで人の関心を引こうとする。しかしこうした戦術の大半は、現代のうたぐり深い消費者には利己的に見えるだけで、せっかく注目を得てもたいていは長続きしない。

ガガは別のアプローチを取った。意図的に人を驚かせることで関心を得たのだ。2015年アカデミー賞授賞式で披露した『サウンド・オブ・ミュージック』メドレーや、それから1年足らずの間にグラミー賞授賞式で見せたデヴィッド・ボウイへの追悼パフォーマンスは、ガガに対する人々の概念を覆し、その才能の幅広さを見せつけるという強烈なダブルパンチで視聴者を引き付け、イベント後も長期にわたって強い印象を与えた。

企業はガガの作戦を参考に、注目度の高いイベント・活動を企画してブランドの重要メッセージを伝えてはどうだろうか?
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編集=遠藤宗生

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