人事関連ソフトウエアを開発する会社ハイグラウンド(HighGround)は新たにまとめた報告書の中で、多くのリーダーが見落としている自己改善のための機会を指摘している。同社によると、リーダーは社員に「私はどうしたらもっと良い管理職になれるか」と尋ねるべきなのだという。
ハイグラウンドは、テクノロジー、財務サービス、小売、ヘルスケアを含む多様な業界の管理職525人と一般社員525人を対象に調査を実施。その結果、どうしたらもっと良い管理職になれるかについて社員の意見を聞く管理職はわずか43%だった。
ハイグラウンドのビップ・サンディールCEOは、管理職の多くが社員にこの質問をしないのは、従来型の業績評価プロセスが一方通行で終わるようになっているからだと指摘する。しかし多くの企業が業績管理プロセスの改善に取り組んでおり、より短くシンプルな業績評価なども行われるようになっている。
管理職がフィードバックを求めることの大きな利点の一つに、自分のちょっとした言動の変化により、チーム全体の業績が大きく向上しうることがある。ハイグラウンドのアンナ・バーク副社長(マーケティング担当)はこう説明する。
「社員の考えに耳を傾け理解しなければ、社員の期待には応えられない。社員の期待を理解しそれに応えようと努力すれば、社員はあなたの期待に応えようとする」
最終的な目標はチームの信頼を確立することだ。信頼により社員の仕事への熱意は増し、結果的に事業の業績も向上する。
こうした利点があるにも関わらず、フィードバックに消極的な管理職もいる。上司であるからには全ての答えを知っていなければいけないと思い込んでいるからだろう。
「こうしたリーダーはおそらく、凝り固まった考えを持っている」とサンディールは言う。才能は生まれつき決まっており、それを超える能力は発揮できないという考えだ。
これと逆の発想は、心理学者でスタンフォード大学教授のキャロル・ドウェックが提唱する「成長思考」だ。「自分は向上できると信じなければいけない。人はいつでも成長できると信じる必要がある」(サンディール)