ロックフェラーからゲイツまで フォーブスが伝えた富と破壊の100年

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そして現在。時代は産業化から情報化へと移り変わり、フォーブスが発表した直近の世界長者番付もその変化を明白に反映している。マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、グーグル、オラクル、ブルームバーグといったトップ企業の大半は、情報のデジタル化のために開発されたハイテク高速システムに依拠している。

創業者の多くは、誰もがその名前を知っている。長者番付トップはマイクロソフトのビル・ゲイツで、保有資産額は860億ドル。アマゾンのジェフ・ベゾスは730億ドル、バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットは660億ドル、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグは560億ドルだった。

しかし、ランキング入りした全員がテクノロジー分野の人物というわけではない。小売業のウォルトン一族や、石油・石炭など天然資源を扱うコック兄弟、賢い投資を行うバフェットなど、従来の分野で富を築いた者もいる。

それでも、フォーブスの最新ランキングでは「ユニコーン」企業の創設者たちの存在感が増している。ユニコーンとは評価額が10億ドル以上の非公開企業を指す言葉で、2013年に初めて登場した。

「ユニコーン」という言葉は私にとって、より大きな意味合いを持っている。というのも、現代の起業家に特有の性格をうまく捉えているからだ。フォーブス入社前にベンチャーキャピタリストとして働いていたときは、こうした素晴らしくて魅力的、かつ時に挑発的な人々と仕事をする機会に恵まれていた。

彼らは現代の移り変わりの激しい技術を理解するだけでなく、完全に新しいビジネスモデルを創出するためにそうした技術をどう利用できるかを見極めることができる。中には旧式のモデルを破壊し、何百万という人々の生活を変える力を持つ者もいる。

彼らは自分のアイデアに大きく賭け、多くは自宅のキッチンやガレージで会社を立ち上げる。また狭い分野に焦点を当て、一つのことしか行わない事業を構築する傾向がある。例えば、ホテルに代わる宿泊場所を旅行客に提供するエアビーアンドビーや、配車サービスによる移動を実に容易にしたウーバーなどがある。

こうしたユニコーンの多くは、失敗を物ともせずに、起業を何度も繰り返す。スナップチャットの共同創業者、エバン・シュピーゲルとボビー・マーフィーは成功にたどり着くまで34ものプロジェクトを試していた。スナップチャットの現状を見てほしい。つい先日に新規上場を果たし、アリババ以来最大のテック系IPO(新規株式公開)となった。
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編集=遠藤宗生

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