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ジャパン・アズ・ナンバーワン― 。日本が再び世界を制するとしたら、それは再生医療の分野であり、そこから生まれる新たな産業である。しかし、技術はあれど、グローバル化には立ちはだかる難題があった。

アメリカに実用化が乗っ取られる危険性

 「日本はどんなに素晴らしい発明をしても、市場シェアは失っている。グローバル化に失敗したからです」
14年、ノーベル物理学賞を受賞したカリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授は、受賞記者会見の際、そう強調した。再生医療は、日本にとって待望のイノベーションといえる。このイノベーションを単に技術のままで終わらせることはできない。しかし、現状を見れば、投資が得られないために、実用化まで運べず、技術止まりで終わってしまう危険性も大いにはらんでいる。数を見ても、日本で承認されている再生医療製品はたった2つしかないのだ。ちなみに、韓国の場合は、14ある。一方で、イノベーションには積極的に莫大な長期投資を行うアメリカがいる。実際、日本の改正薬事法にビジネスチャンスを見出し、世界的に大きな製薬企業も参入を狙っているという。日本が医療技術という知的財産を実用化に繋げられなかったら、最後にはアメリカに負けてしまうことになりかねない。山中もそのことを危惧している。

「iPS細胞は日本で生まれた技術です。資金があるアメリカで開発と実用化が進み、日本がそれを使わせてもらうような状況になったらコストは高くなるし、何より悔しい。そんな状況にならないためにも資金が必要です」

 ベンチャー企業が強力な橋渡しをしているアメリカに対抗していくには、日本はどうしたらいいのか。山中は言う。「日本には素晴らしい基礎研究をする大学と世界にひけをとらない大企業がある。両者がお互いに橋を延ばし合って 繋がり、“オール・ジャパン”体制で、アメリカという強力なライバルに負けないよう取り組んでいくことが重要です」(中略)

改正薬事法で世界制覇
 改正薬事法の仕掛人となった原はいま、この法律を世界標準にして市場を獲得する戦略を遂行しようとしている。
「日本はプロダクトではコスト的に韓国や中国には勝てません。システムでは欧米に勝てない。だったら、制度で勝負すればいいんです。その最たるものが薬事法という法律です。今回の改正により、法律の枠組みという点では、日本が世界最先端となりました。これからはその法律の枠組みを世界に拡大して、世界標準にできたらと考えています。手始めに、15年2月のカンファレンスでは、日本の改正薬事法をイスラム教国57カ国に広めるべく議論します。最終的には、欧米も中国も、日本がつくった世界標準に従わなくてはならない状況にさせるのです」

 原はさらに、改正薬事法の先を見た事業計画を考案している。アベノミクス第三の矢である「成長戦略」を具現化すべく閣議決定された国家戦略特区法案に、人での有効性はまだ確認されていないものの、安全性は確認された新薬を治験できるような早期承認のしくみを導入させようとしているのだ。

 「アメリカでは安全性の段階だけをクリアした新薬は使えません。日本で、ALSやパーキンソン病、筋ジストロフィーなど大手製薬企業が力を入れていない希少疾患で安全性が確認された新薬が使用できるようになれば、世界中から、患者が日本に治療に来るようになるし、ベンチャー企業も投資を進めるでしょう。新しい保険商品が生まれて金融界に革新が起きる。日本は発展すると思います」(以下略、)

飯塚真紀子

 

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