中道のエマニュエル・マクロン前経済相。第1回投票では、2%ポイントの差でルペン党首に勝った。 (Photo by Sylvain Lefevre/Getty Images)

フランスで4月23日、大統領選の第1回投票が行われた。その結果、事前の世論調査の結果が示したとおり、中道のエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首の間で決戦投票が行われることとなった。2候補の得票率の差は、世論調査の誤差の範囲に当たる2パーセンテージ・ポイントだった。

投票の結果を受け、アジアの外国為替市場でユーロは急伸。4月7日の1ユーロ=1.07ドルから上昇し、一時1.09ドルを付けた。マクロンが決選投票に進むことになった結果を受けたものとみられる。だが、5月7日に予定される決戦投票でルペンが勝利する可能性は依然、市場参加者らにとっては脅威として残っている。マクロンが最初の投票でルペンに勝利していれば、ユーロはより高値を付けていただろう。

市場関係者らの見方

投資家らは今後、ユーロの値動きを慎重に見守り続けるはずだ。決選投票の翌日までは、対ドルで1.11ユーロを上回ことはほぼないと見込まれる。また、欧州市場ではフランス国債の利回りが低下し、フランスとドイツ両国の10年物国債の利回り格差が縮小するとの見方もある。

市場はマクロンの勝利を望んでいる。フランスのユーロ圏からの離脱に向けた国民投票実施のリスクがなくなると見込まれ、投資家が欧州について懸念すべき事柄が一つ減るためだ。だが、マクロンが率いてきた政治運動「アン・マルシェ!(前進)」は活動開始からまだ間がなく(選挙前になり同名の新党を結成)、現政権に大きな影響力を持っているとはいえない。

敗北した左翼党のジャンリュック・メランション党首は、同じユーロ懐疑派のルペンではなく、マクロンの支持に回る可能性が高いと見られている。だが、決戦投票までのおよそ2週間に、マクロンとルペンいずれかの候補が急速に勢いを強めることになりそうな要因は見当たらない。

だた、それでもバークレイズ・キャピタル証券は、現役の国会議員らの非常に多くがマクロンを支持する考えを示していることに注目している。同じく敗北を喫したフランソワ・フィヨン元首相もすでに、マクロン支持を表明している。

編集=木内涼子

 

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