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2017.05.05

フィンテックが変える「贈り物」の概念 ギフトはモノの枠を超える

スターバックスのプリペイドカード(ギフトカード)(Nor Gal / Shutterstock.com)

欲しくないものをもらったり、贈ってしまったりすることはよくある。米国人がやりとりする「望まれない贈り物」に費やされる金額は、年間95億ドル(約1兆円)に上るとされている。

当然ながら、欲しくないからといってギフトを相手に返すことはあり得ない(その人と縁を切りたいなら別だが)。だが、テクノロジー(フィンテック)の進歩のおかげで最近では、ギフト業界にもさまざまな革新的ソリューションがもたらされている。

電子商取引におけるギフト関連のサービスを提供する米ジフィティ(Jifiti)によれば、何かを贈るときには慎重さが必要である一方、柔軟性も必要だ。そして、ギフトにはそれらのいずれも持たせることが可能だ。

「電子版の商品カタログとギフトカードの発行を組み合わせることで、実現が可能だ。受け取る側がいつどこで、どのようにギフトを受け取るか、あるいは何を受け取るかまで、選ぶことができる」

その「柔軟性を持たせる」というニーズに対応する企業は、すでにいくつも登場している。ジフィティのほか、ウエディング・ギフトを専門に扱うゾラ(Zola)、小売各社のウェブサイト上でのギフトのやり取りを可能にするマーコール(Marcole)などといったスタートアップ企業が、テクノロジーを活用した贈り物を実現するためのサービスを提供している。

贈るのは「モノ」より「ソリューション」に 

何かを贈るということにおいて、大切なのは確かに気持ちだ。だが、それでも出費が伴うものであり、実質的には金銭的価値のやり取りだ。例えばギフトカードなら、現金と同じようにモノやサービスの購入に使うことができる。

実店舗を構える大手小売業者の多くは、実際にカードを発行する独自のシステムを設けており、インターネット販売では多くの業者がポイント付与などのシステムを導入している。そして、こうした各社のプログラムは徐々に、アプリを利用するものに変わってきている。

例えば、スターバックスはオムニチャネル化を実現しており、プリペイドカード(ギフトカード)は実店舗での支払いに使えるほか、インターネット上やアプリを通じての利用も可能だ。
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編集=木内涼子

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