ISSから切り離されてしまうことは、船外活動を行う宇宙飛行士にとって悪夢と言えるシナリオだ。私も船外活動を行ったが、常に命綱を再確認するなど、自分が行うことすべてに最高レベルの注意を払っていた。映画「ゼロ・グラビティ」を観るとあの時の気持ちがよみがえる。
アメリカの宇宙服一式には、万が一切り離された場合のための小型推進装置が含まれている。限られた量だが窒素ガスが入っており、噴射してISSに戻れるようになっている。この装置を使って自力で戻るセルフレスキューの訓練も行う。ロシアの宇宙服にはそういった装置がないため、自分で対処することはできない。
以前はスペースシャトルを使った救出手順もあった。船外活動中に切り離されてしまった宇宙飛行士を救出するために、スペースシャトルのドッキングを30分で解除する方法だった。だが、ソユーズを使った救出手順はない。
アメリカの宇宙服もロシアの宇宙服も、酸素やバッテリーに限りがある。8時間以上にも及んだ船外活動も過去にはあったが、6時間半で終わるように計画されている。