アマゾン型「猛烈企業」が女性求職者を集められる方法

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ニューヨーク・タイムズ紙とアマゾン・ドット・コムが、同社の社風に関する記事をめぐり公の場で論争を繰り広げてから1年半余りがたった。

アマゾンの成功の裏にある「猛烈」な企業文化を報じたこの記事については、既に記憶から消えた人も多いだろう。だが同社の模範企業としての重要性から、この記事は私の頭から離れることはなかった。

アマゾンは多くの点で他企業にとって手本となる。同社は誰もが知るように、膨大な顧客価値を生み出し、それに伴う輝かしい業績を収めてきた。しかし手本となるような企業はしばしば、同様の成功を少しでも収めたい人々から模倣・分析されるものだ。

そのため、アマゾンが目覚ましい成功と成長で話題を呼び続ける中、私はこの記事の存在を忘れられず、運営する仕事口コミ情報サイト「フェアリーゴッドボス(Fairygodboss)」上で同社の女性従業員が投稿する意見を注視してきた。業績や成果を重んじる社風と、社員が生き生きと働ける社風は両立可能なのだろうか。

従業員らの投稿によると、サイト内の他の企業と比べ、アマゾンの企業文化は直属の上司次第のようだ。多くの女性が、上司や部署により扱われ方が大きく異なることを指摘していた。ニューヨーク・タイムズ紙の記事などではアマゾンの企業文化の一枚岩ぶりが示されていたことから、これは少し驚きだった。

確かなことが一つある。それは、アマゾンが新たなプログラムと職務形態を試しているということ。まず、技術部門の一部従業員向けに昨年発表した週30時間勤務。当然ながら、社内でもより専門性の高い従業員が利用できる(アマゾンの巨大な倉庫で働くスタッフには適用されない)。

そして、最近発表された2018年実施予定のパートタイムプログラム。3万人以上のパートタイマー雇用を目標とし、うち多くは顧客向け梱包の仕分け・整理作業に、少なくとも5000人は顧客サービス分野に振り分けられる。特に女性の人気を呼びそうなプログラムだ。

柔軟性の高い仕事は多くの人にとって魅力的なのは確かだが、いまだに家事や育児、介護のほとんどを負担している女性たちにとっては、特に重要な点だ。事実、フェアリーゴッドボスのデータからは、仕事の柔軟性と女性の仕事満足度には直接的な関連性があることが示されている。

特に女性の雇用の増加を目標とする雇用主にとって、柔軟性が高く、ワークライフバランスの良い仕事を提示することは、人材を即座に集めるための一つの方法に違いない。

編集=遠藤宗生

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