I write about bringing life to work and bringing work to life.


ついに上司に退職の意思を伝えると「なぜ辞めるのか?」と平気で聞いてくるかもしれない。上司が退職願いに驚いたならば、その職場には社員の住む現実の世界と、上司の暮らす偽りの世界を分ける壁ができていたということだ。

そうした上司は恐怖心に突き動かされる状態から抜け出し、部下を一人の人間としてではなく、人間の形をした生産機械としか見ることができない。

恐怖に満ちた上司の脳は、部下を見るたびに「今日はどうすればこの人をうまく使えるか?」と考える。長期的に考えることも、自分や他人を信じれば全ての問題が解決すると考えリラックスすることもできない。

恐怖心から抜けられない人をふびんに思うことはできても、そのパニック状態から救うことはできない。心身の健康を保つには、こうした人を避けることが必要だ。優秀な社員が辞めてしまう理由はここにある。

そうした社員は優秀であるため、何か月、あるいは何年にもわたって経験した残念な出来事や管理職の失敗、そして上司が謝罪するどころか認めることもなかった屈辱の数々については、固く口を閉ざす。

世界は広い。今の会社にあなたの才能をささげる価値がなければ、他にも会社はたくさんある。

上司は現実から目を背けて「彼が辞めたのは残念だ。寂しくなるなあ! だが彼は断れないオファーをもらっただけであって、ここでの仕事は好きだったと言っていたな」と考えることもできる。

上司は現実世界から発せられる力強いシグナルを無視することもできる。だがこうしたシグナルは上司や会社の指導部、顧客や株主にとって有益なものだ。代わりに現実を直視し、社員が会社を去る前に考えを聞き始めてみてはどうだろうか。

編集=遠藤宗生

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