(右上から時計回りに)長野県小布施町、神奈川県鎌倉市、福井県鯖江市、福岡県福岡市

独創的なまちづくり、持続可能なビジネス─未来を見据え、革新的な挑戦を続ける都市はどこか。"地方特集"のフォーブス ジャパン6月号(4月25日発売)でアドバイザリー・ボードを務めた17人が投票を行い、ベスト10を決定した。

1位 福岡県福岡市

水源に乏しく、工業用水を確保できないため、工業都市になることを諦めたことが、福岡の独自性と多様性を育んでいる。技術系大学の多さ、アジアへの近さ、そして「ユニークで才能ある人材を積極的に受け入れ、東京ともサンフランシスコとも違う、独自のスタートアップカルチャーをもち、都市そのものがスタートアップのようなエネルギーに満ちている」(林千晶/ロフトワーク代表)。

また、かつて水不足に悩まされたことから、都市開発を制限。そのため、都市部のすぐ隣に、開発されていない山や海がある。この好環境が、東京のIT企業が続々と福岡に拠点を開設する一因に。「ロンドン、シリコンバレー、台北などと連携するほか、地域産業とデザインとの融合プロジェクトも活発で、異分野融合によるイノベーションの可能性に期待」(堂野智史/大阪市都市型産業振興センター)。

[人口:155万人、人口密度:4520人/km2、人口増加率:5.10%、創業比率:10.16%、主な産業:小売業,サービス業]

2位 徳島県神山町

「“地方創生×働き方改革”に先鞭をつけたモデル。自然に囲まれ、古い民家でPCを開いて仕事をしている映像から発せられるギャップが、田舎でもIT事業やクリエイティブな仕事が可能だというメッセージを鮮烈に発信した。新しい働き方、企業のサテライトオフィスのあり方、ソーシャルワークなどを考えるモデルになったと思う」(川崎篤之/GI政策研究所)。田舎でもエコシステムが創出されている点は特筆すべきだろう。

[人口:5610人、人口密度:34.8人/km2、人口増加率:-9.28%、創業比率:4.47%、主な産業:農業,林業]

3位 山形県鶴岡市

慶應義塾大学先端生命科学研究所を中心に、最先端のバイオテクノロジーベンチャーが集う。産官学連携のモデル都市とされ、現在は民間企業YAMAGATA DESIGNの推し進める「サイエンスパーク」整備が進行中。研究者がより心地よく生きられる街を目指す。

「街にやってきた『よそ者』の活動を、行政が一貫して支援し続けていることや、地域の人も研究に触れられる場を提供していることが興味深い」(林千晶/ロフトワーク代表)。

[人口:12万9000人、人口密度:97.7人/km2、人口増加率:-3.86%、創業比率:4.34%、主な産業:農業,バイオ産業]

4位 福井県鯖江市

大企業は存在しないが、内発的発展によって産業を生み続ける街である。国内生産シェア約8割のメガネフレーム、伝統的な織物産業から非衣類への転換に成功した繊維、漆器などが有名だが、いま最も注目されているのはオープンデータの活用。

「既存の地場産業の中からも、新たな知見を活かし、イノベーティブな取り組みを行う企業も出始めており、新規創業、第二創業の動きに期待ができそうである」(堂野智史/大阪市都市型産業振興センター)。

[人口:6万9100人、人口密度:795人/km2、人口増加率:1.81%、創業比率:4.24%、主な産業:眼鏡製造業,繊維産業]

5位 神奈川県鎌倉市

「イノベーションの源泉は、住民性にある。"地元の歴史"と"スノッブライフスタイル"が融合した独自の"鎌倉文化"圏が確立されている。外部からの流入者が強く影響力をもつ一方、商店街や飲食店、市民活動を通じて新旧住民の融合が進んでおり、民度の高い大人の文化圏を形成している。主に外部流入住民に支えられるライフスタイル系のスモール企業を中心にしたビジネスは他地域でも参考になる」(内田研一/ビジネスプロデューサー)。

[人口:17万2000人、人口密度:4400人/km2、人口増加率:0.17%、創業比率:7.29%、主な産業:小売・飲食業,観光業]

編集=Forbes JAPAN編集部

 

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