問題社員への心配をやめるべき理由

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経歴は素晴らしく、面接でも際立っていた人材。だが採用してみると、思い描いていた通りにはいかなかった。スキルは期待に添わず、経験も職務に生かせず、求められた成果を出せない──。

こんな経験があったとしても、それはあなただけではない。採用の50%は失敗するとの調査結果も出ている。以下に、社員の業績がいまいちだった場合に上司がするべきことを紹介する。

・問題に責任を持つ

上司のあなたには、部下の業績不振の背景にある原因を理解するために精一杯努力する責任がある。なぜ部下が苦戦しているのかを突き止めよう。仕事に集中できていないのか? 仕事が嫌いになったのか? 部下と話し合い、他の管理職からも意見をもらい、適切な次のステップを決定しよう。

・期待は高く、明確に

部下への期待は高く設定しつつも、達成可能な範囲にとどめること。

・コミュニケーションをとる

状況の改善に向けてするべきことを明快に伝えよう。

・いつでも助けを求められる雰囲気を作る

問題があるのは良いこと。早期に気付けば、対処が可能だ。

・解決は素早く

問題が改善しなければ、別の措置が必要な場合もある。優秀な部下は、あなたが業績不振に気付く頃には既に、仕事を十分にこなせていない同僚がいることを見抜いており、あなたが問題に対処し解決してくれるのを待っているのだ。

・解雇は穏便に、相手の貢献に感謝する

あなたの対処の仕方には、皆が注目している。やむを得ない場合は解雇してもよいが、最後まで相手の尊厳を守り、敬意を払うこと。

以上の点は難しいかもしれないが、管理の本当の難しさは別の部分にある。次に、本当に重要であるにもかかわらず、あまりにも頻繁に見落とされることを紹介する。この間違いは、部下の力を最大限に引き出そうとする際に陥ることが多い。

その間違いとは、業績不振の部下を心配することに時間を費やすがあまり、優秀で聡明な部下に十分な時間を割いていないこと。最大限の結果を引き出す真の秘訣(ひけつ)は、最も優秀な社員に投資をし、その能力をさらに伸ばすことだ。

残念ながら、これはめったに実践されていない。優秀な人材は放置されがちだが、これでは大きなチャンスを逃している。

非常に素晴らしい部下がいたら、さらに伸ばすにはどうしたらよいか考えよう。「A」の学生を「A+」にするために自分に何ができるか考えよう。偉業を成し遂げる秘訣は、「C」の学生を「B」に伸ばすことではない。

「何かを片付けたければ、忙しい人に頼め」との格言がある。この考えを広めたのはベンジャミン・フランクリンとルシル・ボールだとされているが、私は友人でありIBMの元上司であるジョン・フランドセンがこの格言を発展させた次の言葉が特に好きだ。「忙しい人を見つけて、壊そうとしてみよう」

最高の部下を見つけて激励し、高い要求をしよう。そうすれば驚くべき成果が得られ、会社の今および今後の成功が確固たるものとなるだろう。

編集=遠藤宗生

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