「悲観的に準備して、楽観的に対処する」─サミット竹野浩樹社長

サミット、竹野浩樹代表取締役社長(写真=山本マオ)


以前、上司に「身銭を切って初めてわかる消費行動がある」といわれたことがあって、いまでも週末にはショッピングや町歩きに出かけます。恥ずかしい話ですが、スーパーで「鷹の爪ってどこにありますか?」とかよく訊かれるんです(笑)。そういう目をして歩いているんでしょう。棚に並んだ商品が曲がって置かれているとちょいちょいと直したり、レストランでは無意識に座席数を数えて何回転するかを考えたりしている。どっぷり小売りマンですね。

日常で大切にしているのは、ルーティンです。ひげそりや歯磨きの順番を守ったり、電車も同じ時間の同じ車両の同じ場所に立ったりする。それが私にとって心を整える有効な方法です。逆に決戦の日には、このルーティンをあえて破る。いつもとは違うエスカレーターに乗るとか(笑)、普段と違うことをやるとアドレナリンがドッと出ますから、戦う姿勢が整うのです。

「悲観的に準備して、楽観的に対処する」が私の指針。準備に充分な時間をかけ、最悪なことが起きてもすべて想定内として冷静に対処する、それが私の日頃の目標です。

<竹野浩樹のある1日>

6:00 起床
8:20 出社
9:00 始業
9:30〜12:00 経営幹部会
12:00〜13:00 ランチ
13:00〜15:00 開発会議(毎月曜)
15:00〜15:30 お客様来社
17:00〜17:30 お客様来社
18:00〜21:00 会食

<竹野浩樹が大切にするもの>

人生の書「失敗の本質」


ミッドウェー戦やガダルカナル戦など対戦中のケーススタディを通して、旧日本軍の組織的な敗北をマネジメント学的に分析した本。声が大きい人が会議を支配する、現場を知らないトップが妄信・過信してコトを進めるなどが書かれており、日本の会社組織の弱点がよくわかります。

こだわりの時計と靴



NY駐在時代、あるユダヤ人経営者に「相手にビジネスをしたいと思わせるためには、それ相応の格好をしなくてはいけない。つるしのスーツなど、もってのほかだ」と教わりました。以来、時計と靴は、よいものを身につけるようにしています。ちなみに靴はイギリスの紳士靴「エドワード・グリーン」オンリーです。

竹野浩樹氏(たけの・ひろき)◎1965年、東京都生まれ。89年、慶應義塾大学法学部を卒業後、住友商事に入社。4年目に欧米型ドラッグストア「トモズ」の創業を手がける。NY 駐在、マミーマート出向、ブランド事業部長などを経て、2016年6月より現職。

構成=堀香織

この記事は 「Forbes JAPAN No.33 2017年4月号(2017/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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