キャリア・教育

2017.05.06 19:00

内定に飛びつく前に言うべきこと

lenetstan / shutterstock.com

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転職活動でついに内定を受けたその瞬間は、喜びのあまり「はいっ!いつから出社しましょうか?」と言ってしまいたくなる。しかし、どれほど胸が躍っていようと、その気持ちはぐっとこらえよう。

内定承諾前は、会社側と交渉する絶好の機会だ。たとえ交渉しないと決めても、返事の前に一息つくことで、新たな職場での成功に向けた確実な備えができる。

例えば、相手に感謝と熱意を示した上で、「給与と手当全体を確認できるように内定通知を書面でいただけますか? お返事はいつまでにすればいいでしょうか?」と聞くこともできる。

どういったことを言うべきか詳しく見てみよう。

熱意を見せつつも、時間を稼ぐ

その場で内定を承諾しないからといって、内定を受けたことがうれしいという素直な気持ちを伝えられないわけではない(あくまでその仕事が実際に望んでいたものだった場合の話だが)。内定を受けたことを喜んだからといって、交渉で不利にはならない。むしろその逆だ。会社側としては、自分たちと働くことを望む人を雇いたいものだ。

理想的な時間枠を自分で決めていない限り、いつまでに返事をすべきか聞くことを勧める。当日中に返事を求められることはあまりなく、最低でも数日は待ってもらえることが多い。

期限まであまり時間がない場合は「いただいた職務についてぜひ詳細をお伺いしたいです。週末の間に給与と手当の詳細を検討する時間をいただいくことは可能でしょうか?」と言うことができる。

書面の内定通知送付を依頼する

交渉・内定承諾前に書面で内定通知をもらっておいた方が良い理由は二つある。まず内定が確定していることを確認し、提示されている給与・手当などの詳細に誤解がないようにするため。また書面で確認することで、満足している部分、交渉したい部分、返事をする前に聞いておきたい質問を決めることができる。

交渉すべきかを決め、自分の優先順位を明確にする

男女の賃金格差解消を目指す「#ask4more(もっと多くを要求しよう)」のような運動は、それ自体は善意的なものだが、給与交渉で女性に複雑な気持ちを抱かせてしまう恐れもある。給与を交渉し男女の給与差をなくす責任が自分にあるかのように感じてしまうかもしれない。しかし実際には、男女の賃金格差は組織的な問題だ。

女性の交渉力強化とキャリア向上の支援サービスを提供する私の元クライアントの中には、毎回給与を交渉するのが理にかなっているとは限らず、自分の経験や職責、会社の規模などを考慮した上で適切だと判断できれば交渉する必要はないことに気付いた人もいる。

自身の優先順位についてもじっくり考えることが重要だ。給与について交渉すると決めた場合は、自分に偽りがなく、安心できる方法で行うこと。

内定通知を受け取ってから考慮する点には次のようなものがある。

・提示された給与は自分の市場価値に見合っているか。
・どのような点を交渉したいのか。
・どのような手当があれば、自分の満足度や業務効率を高められるか。
・職務自体や提示された給与・手当に関する質問はあるか。

どのような対応をするかに関わらず、内定承諾前に書面で内定通知を出すよう依頼し、全ての質問に確実に答えてもらうようにすることで、次の仕事でも成功する準備ができるだろう。

編集=遠藤宗生

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