クアルトリクスは4月12日、既存の出資者であるインサイト・ベンチャー・パートナーズとアクセルにセコイア・キャピタルが加わった投資ラウンドで1億8000万ドル(約197億円)の資金調達に成功したと発表した。2014年に10億ドル(約1090億円)に達した同社の企業価値は今や25億ドル(約2730億円)とされ、テック業界で最も評価の高い企業の1つになった。
投資家の募集を支援したソフトウェア会社アトラシアンのCFOであるMurray Demoが役員に名を連ねることになる。新たに行った資金調達が同社にとってこれまでで最大となったことで、スミスも今後より柔軟に動くことができるようになるだろう。
「次のフェーズに向けて大きな弾みになる。15年間、このビジネスに携わってきたが、いま頭にあるのは今後の15年間のことだ」とスミスは言う。
クアルトリクスの本社はシリコンバレーから飛行機ですぐのユタ州にある。スミスの父親がブリガムヤング大学で研究を行っていたことにもあり、当初から研究者向けの調査研究ツールをユタ州で提供してきた。そのソフトは今でも教授や研究者たちの間で人気だという。
その後このソフトウェアに関連した企業向けビジネスを立ち上げ、今ではロンドンやミュンヘン、シドニーなど10か所にオフィスを構え、1300人の従業員を雇用している。2017年3月には「エクスペリエンス・マネジメント」という新ソフトを発表した。
発表からまだ1か月強しか経っていないが、顧客からは大好評だという。最近IPOを行って成功しているアトラシアンのCFOを役員に迎え、上場したばかりのクラウド管理サービスOktaなどの市場価値を上回る企業価値が付いている今、新たに資金を調達したクアルトリクスがいつ上場するのかという期待は高まる一方だろう。
スミスは株式市場が今後数か月の間に調整局面に入ると予測している。市場の動向に左右されないよう慎重にIPOに向けて準備しているという。「多くの企業が上場後の長期的なかじ取りに苦戦している」とスミスは語る。「私はこれまでも先走らないように気を付けてきた」