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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

バーチボックス共同創業者でCEOのカティア・ビーチャム(Photo by Ben Rose / gettyimages)

化粧品サンプル定期便サービスのバーチボックスが、創業以来で初めて利益を上げた──。

共同創業者でCEOのカティア・ビーチャムは、2016年を同社にとって「怖い」1年だったと表現した。高い運営費や顧客の獲得に資金を投じたことで支出が続いていたのだ。

バーチボックスは2010年に創業した化粧品サンプルの定期購入サービスで、ユーザーの好みに応じた化粧品やヘアケア用品のサンプルを詰めたボックスを月額10ドルで販売しているほか、eコマースサイトも運営している。“サブスクリプションボックス”と呼ばれる定期購入型のビジネスモデルの火付け役であり、ヒゲ剃り製品のダラー・シェイブ・クラブ(Dollar Shave Club)などをはじめとする多くの定期購入サービスが後に続くことになった。

しかし、この1年はアメリカ国内の従業員数を3割削減、諸経費やマーケティング費、物流コストなどを大幅にカットした試練の年だったとビーチャムは語る。経費削減の一環としてサンプルの箱詰め作業など一部の工程の自動化も行った。

さらに、幅広い取引先を相手にマージンの再交渉を行った。「これまで私たちは持続不可能なマージンを払っていた」とBeauchampは言う。

さらにスマホ向けアプリを改良したことで、昨年末のホリデーシーズンには初めてスマホからのオーダーがPCからのオーダーを上回った。

2016年第4四半期には年間契約をしたユーザーが前年同期比35%増加し、キャッシュフローが大幅に改善した。2016年12月には売上が過去最高となり、2017年1月は最も売上が高かった1月となった。

ベンチャーキャピタルAccel Partnersのパートナーで、フォーブスが選ぶトップインベスターの1人であるSameer Gandhiは、「ベンチャーキャピタルが支援している企業で利益を上げて成長している企業は極めて珍しいのです」と語る。

Accel Partnersはシードラウンドから継続的にバーチボックスに出資している。バーチボックスはシリーズBラウンドで6000万ドル(約65億円)を調達して企業価値が4億8500万ドル(約529億円)となり、2016年の既存の出資者によるインサイドラウンドでは1500万ドル(約16億円)の調達に成功した。

Gandhiはビーチャムと、共同創業者で現在はファースト・ラウンド・キャピタル(First Round Capital)のパートナーとなったHayley Barnaを信頼し、サブスクリプション型のビジネスにも期待があったという。「サードパーティーによるeコマースよりも魅力的だと感じました」

会員数は100万人。高級シャンプーが売れ筋

黒字化後の目標は、送付したサンプルを気に入ってバーチボックスのeコマースサイトでフルサイズの商品を購入してくれるユーザーを増やすことだ。同社によると、高級ヘアケア製品が人気を博しており、8.5オンス(約250ml)で44ドル(約4800円)もするOribeのシャンプーなどが売れ筋という。ネットで購入できる高級ヘアケア製品の17パーセントが同社のサイトから購入できるという。バーチボックスの会員100万人のうちおよそ半数が同社のサイトでフルサイズの製品を購入しており、eコマースビジネスが同社の売上の35%を占めている。

「この数字には誇りを持っていますが、満足はしていません。サンプルを売るためにビジネスを始めたわけではありませんから」とビーチャムは語る。

最近になってパリに2号店をオープン。フランスでは会員20万人と大きく成功しており、新サービスなどを試す際に最適な市場となっている。バーチボックスは自己資金によって成長していることが重要だとビーチャムは語る。

「勢いを取り戻した時には、誰もが安どのため息をつきました。成功する確証がなく怖い1年でした。どんな企業でも乗り切れるといった状況ではなかったのです」

編集=上田裕資

 

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