仕事の効率を劇的に高める、シンプルで間抜けな方法

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あなたの仕事が小規模事業者だろうと多国籍企業の重役だろうと、職場が営業部だろうとオペレーション部門だろうと、1日の長さは同じ24時間。時間は皆に平等だ。

それなのになぜ、時間を最大限に活用して1日により多くのことを片付けられる人と、月末ぎりぎりになってしか目標を達成できない人がいるのだろう? まるで、少しの時間で多くのことを達成する秘訣を伝授する暗号文の解読に一部の人だけが成功したかのようだ。

本記事では、筆者が採用し始めてから驚くべき成果につながった方法を紹介する。

KISS

読者の中には、スプレッドシートやカレンダー、オンラインツールを含む高度な時間管理法が必要だと思う人もいるかもしれない。

しかし実際は、システムが複雑になればなるほど、継続が難しくなる。もし効率的に時間を使えるようになりたいなら、1960年代に米海軍が開発した「KISSの原則」に従うといいだろう。これは「Keep It Simple, Stupid」(シンプルで間抜けなままにしておく)の略語で、大半のシステムは複雑にするよりシンプルにした方がうまくいく、という意味だ。

シンプルだが効果的な技

生産性の専門家として書籍の執筆や講演活動を行うニーン・ジェームスも、この考えに賛同している。彼女は最近、半分の時間で2倍の成果を出すために実践している超シンプルかつ非常に効果的な方法を、筆者に教えてくれた。

それは、「ポストイットに(今日中にやらなければいけないことを)3つ書いて、1日中持ち歩くこと」。ニーンはこれを「とても手の込んだ」方法と呼んでちゃかしているが、決して侮れない方法だ。

この方法が生む効果の秘密は、そのシンプルさにある。こうすれば、多忙な人もその日にすることの優先順位がつけられ、重要なことに集中できるようになる。

「これは、決定をふるいにかける方法。時間を無駄にしそうになったり、何か別のことに気を取られたりするたびに、3つのことを思い出し、これらを前に進めるか、時間を無駄に使うのかを選ぶことになる」(ニーン)

この方法を使えば、生産性はもはや時間管理の問題ではなく、優先順位の問題になると、ニーンは言う。「自分が持つリソースについて、また最高の仕事をするためにそのリソースをどう使っていくかについて、賢く考えなければいいけません」

時間を区切る

ニーンによると、まず1日の時間を15分毎に区切ることが、生産性向上への鍵となる。また、毎日15分間を自分自身のためにとっておくといいという。

1日の始めに、きょう絶対にすべきことを3つ特定しよう。つまり、その日に自分の事業を前進させたり、大きな成果を出したりする活動のトップ3をリストアップすること。「これらは、夜寝る前にしなければならないこと」とニーンは説明する。

一番重要なことをする

ポストイットが効果的なのは、コンパクトで持ち運び可能だからだ。どこにでも持ち歩け、3つの最重要タスクが終わり次第、終了の印をつけることができる。

しかし大事なのは、それら3つが単なる何かしらの古い課題ではないということ。1日の始まりに時間をとって特定した、ビジネスに目立った変化をもたらすような、レベルの高いタスクであること。

というのも、生産性とはつまるところ、一番重要なことをする、ということではないのだろうか? 「意味のある瞬間を創り出すことが大切」とニーンは言う。「時間に対しても同じ。一度費やしてしまえば、時間は二度と戻ってこない」

編集=遠藤宗生

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