ネルソン・マリンズ・ライリー・アンド・スカボロー弁護士事務所のパートナーで雇用問題専門弁護士のミシェル・ジョンソンによれば、優秀な社員をつなぎ留めるためには有給産休を認める必要があることに気付く企業が増えており、「寛大な方針を持つ企業は、優秀な人材を引き付け、つなぎ留めることにより成功している」という。
ヒルトンは昨年、月給制か時給制かを問わず、全社員に対し寛大な育児休暇を認める方針を導入した。父親や養子縁組した親を含め、新たに子どもをもうけた従業員は、2週間の有給休暇を取得できる。出産した女性従業員はさらに8週間の産休を取れるため、取得できる有休日数は合計10週間となる。さらにヒルトンは養子縁組支援として、養子縁組の回数に関係なく、子ども1人につき最大1万ドル(約111万円)の費用を支給する。
ヒルトンの人事担当上級副社長、ローラ・フエンテスは、この寛大な制度により従業員のやる気や定着率、愛社精神の向上が期待されており、「チームメンバーには休暇制度を最大限活用することを奨励している」と語る。
以下に、産休に入る前に上司に確認しておきたい4つのことを紹介する。ジョンソンは、産休前の最終出社日でなく、遅くとも産休開始の1か月前には相談し始めることを勧めている。
担当業務はどうなるか
長期の産休を取る予定なら、休職中に担当業務の扱いがどうなるかを把握することが大切だ。「私がいない間も、顧客が必要なサービスを確実に受けられるようにするにはどうしたらいいでしょうか?」と切り出してもよいだろう。
また、不在中に誰かが業務を引き継いでくれるか、復職後にスムーズな業務復帰ができるよう同僚に手助けしてもらえるか、についても聞いておきたい。
休職中に連絡はあるか
親になったばかりの頃は、職場の状況を把握していたい気持ちと、赤ちゃんのために時間を取る必要性の間でバランスを取ることが難しいと、ジョンソンは言う。どんな場合に会社から連絡がくるのか、上司に聞いておこう。例えば自分が担当していた最大の顧客が他社に取られそうな場合、上司は電話してくるだろうか?
メールは確認すべきか
ジョンソンによれば、上司によっては休職中でも定期的な連絡やメールのチェックを求めることもある。自分の上司がどう考えているかを知っておこう。
新たな機会が与えられるか
あなたの休職中に、会社が長い間求めていた顧客との契約を獲得するかもしれない。休職中であっても、上司が自分を新たなプロジェクトの担当に検討してくれるかどうかを知っておこう。
「こうした質問をすることで、献身性が無いとみなされることに不安を感じる女性は多い」とジョンソンは言う。「企業はそのような考え方を否定しなければいけない。労働人口の半分は女性で、多くの女性には家族がいるのだから」