マネー

2017.04.11 10:40

テック系IPOへの関心再燃か、クラウドID管理Oktaの調達額は208億円


競合も上場目指す

オクタのライバル、テキサス州オースティンに本社を置くセイルポイント(SailPoint)の最高経営責任者(CEO)であるマーク・マケインは先月、出席したイベントでIPOに関する複雑な思いを語った。

同様に今年または2018年中の上場を目指すマケインCEOは、「当社の売上高は、2015年には1億ドルだったが、2016年には1億3000万ドルに増加。利益も出ている。従業員は1000人近く、対応可能な市場は、オクタの180億ドル規模を上回る」と話す。

市場調査会社のガートナー・グループによれば、セイルポイントのビジネスは「ID情報のガバナンス(統治)と管理」だ。2015年1月に公表した報告書では、同社が完璧なビジョンと実行能力をもってID統治・管理業界を率いていくとの見通しを示すとともに、同社をIBM、オラクルと同じ、業界の「リーダー」に分類した。

そのセイルポイントがIPOによってどのような成果を得られるかは、オクタの今後に左右されることになる。オクタがID管理ビジネスでより多くの企業の関心を得てニーズを生み出すことができれば、それはセイルポイントにとっての利益にもなるだろう。

一方、オクタが向こう数か月の間に自社の利益確保の可能性について投資家を納得させることができなければ、同社の株価は下落する。そうなればそれもまた、すでに利益を出しているセイルポイントにとっては、好機が残されることを意味するのだ。特に、同社が利益を伴う成長を維持できていればなおさらのことだ。

編集 = 木内涼子

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