フリーランスで働く人の増加がその大きな理由だが、コワーキングスペースとコワーカーをつなぐサービスを行う「コワーカー(CoWorker)」の共同創業者でCEOのリアン・ビーズリーは、これに関して次のように説明している。
「コワーキングスペースの柔軟性、コスト効率や社会的な構成要素から、より多くのスタートアップ企業や小規模企業が賃貸オフィスではなく、コワーキングスペースを選ぶようになっている」
各国にあるコワーキングスペースはこうした状況の中で、設計やアメニティーにより多くの工夫をこらし、質を向上させている。105か国の4000近いコワーキングスペースの中からビーズリーが推薦するもののうち、特にすばらしいと筆者が考える5か所を紹介する。
1. クルー・コレクティブ(カナダ、モントリオール)
モントリオール旧市街にあるこの建物には、1920年代にはカナダ・ロイヤル銀行が入居していた。約1115平方メートルの広さがあるこのコワーキングスペースは、息をのむほど美しい。
アーチ形の天井、シャンデリア、大理石など、建物の魅力を維持しながら、クルー・コレクティブの従業員が働くスペースとコワーキングスペース、カフェ、会議室のそれぞれの利用者のために趣の異なるエリアが作り出されている。
2. ミニストリー・オブ・ニュー(インド、ムンバイ)
オランダ人の共同創業者マリス・ブルームンダールとナタシャ・チャダが目指したのは、単なるオフィススペースの共有ではなく、コミュニティー作りだ。そのため欧州に特徴的な機能性と地元らしさを組み合わせた、質の高い、居心地の良い作業環境が実現されている。
緑と自然光を多く取り入れ、家具はオーダーメイド。ビンテージのシャンデリアやジャイプールのじゅうたん、地元のアートギャラリーから取り寄せた芸術作品が採用されている。