地中海に展開していた米海軍の駆逐艦2隻(USSポーター、USSロス)から、巡航ミサイル「トマホーク」59発を発射した。米国防総省は、標的にしたのはシリア軍基地の飛行場にある航空機と格納庫、燃料貯蔵庫、武器庫、防空システムやレーダーなどだと説明している。
1991年の湾岸戦争での「砂漠の嵐作戦」以降、米軍が他国に軍事介入する際にまず用いてきたのが、弾頭重量1000ポンド(約454kg)のミサイル「トマホーク」だ。前回は中東イエメンの反政府勢力、フーシ派の支配地域にあるレーダー施設を攻撃した際に使用した。フーシ派が紅海上を航行中の米海軍の駆逐艦に対し、ミサイル攻撃を繰り返し行ったことへの報復だった。
軍事・大量破壊兵器などに関する情報を提供するグローバルセキュリティー(GlobalSecurity)によると、米軍は1991年以降、2001年にアフガニスタンへの攻撃を開始するまでの間に、約1100発のトマホークを発射している。北大西洋条約機構(NATO)軍によるボスニア・ヘルツェゴビナへの空爆(デリバリット・フォース作戦、1995年)にも参加している。
また、リビアに対する多国籍軍の作戦(オデッセイの夜明け、2011年)、過激派組織「イスラム国」(IS)が首都と称するシリア・ラッカへの攻撃(2014年~)などでトマホークを使った。
この間にトマホークによる攻撃を最も多く受けているのはイラクで、同国に向け、少なくとも1618発が発射された。1999年に行われたNATO軍のユーゴスラビア空爆(同盟の力作戦)では、セルビアとモンテネグロに218発が発射された。