ブルームバーグの報道によると、大学対抗チームに参加する全てのユタ大学生が、部分的な奨学金の給付対象になるという。ユタ大学でEスポーツ部門を統括するA.J. Dimickは「今後、最大で35名の学生を対象に学費の全額を支給する計画を進めている」と述べている。
今回のユタ大学の決定は画期的なものと言える。Eスポーツは現在、大学生の間で非常に人気が高まっているが、LoLカレッジリーグに出場するチームのほとんどは大学の公式な支援を受けたものではない。LoLの運営元のライアットゲームズのMichael Shermanは「LoLには750以上の大学のクラブチームがあるが、北米全体でも大学の公式チームは20チーム程度しか無い」と述べている。
今回、ユタ大学が奨学金制度を開始する以前にも同じ仕組みを導入する大学はあったが、比較的小規模な大学のみだった。ユタ大学はスポーツ界の5大競技リーグであるPower Five(Pac-12、Big 10、Big East、SEC、ACC)の参加校としては初のEスポーツプログラム支援大学となる。
さらに、今回の奨学金制度がユタ大学のエンターテイメント・アーツ&エンジニアリング学部のプログラムとして行われる点も非常に興味深い。ユタ大学のこの学部は米国で最も優秀なゲーム開発者らを送り出すことで知られている。
教育関連のリサーチ企業、ザ・プリンストン・レビューが公開したランキングで、ユタ大学のゲームデザイン部門は過去5年で4回、トップに選ばれた。ゲーム業界を志す最も優秀な学生たちをEスポーツの大学対抗試合に送り出すことは、この分野の未来に大きな可能性を開くことになる。
大学生のEスポーツが全米にテレビ中継され、全米大学バスケットボールトーナメントのライバルとなる日も、そう遠くない未来に訪れるのかもしれない。