世界を変えた起業家・経営者30人の「凄い言葉」 vol.1

[右から]ジェフ・ベゾス、サラ・ブレイクリー、ラリー・ペイジ


6) マーク・ベニオフ/セールスフォース・ドットコム

──「今日僕たちが使っているものは、数年後にはただ邪魔なものになっている。過去は未来になりえないのだよ」

[解説] 世界最大のクラウド型CRM(顧客管理)ベンダー。ベニオフは、ソフトウェア企業オラクルでの13年間の在籍を経て、1999年に同社を創業。社会貢献活動に熱心なベニオフだが、未来を創る最前線はビジネスと信じる。目まぐるしく変化が起きるビジネス領域こそが、「世界を変革する最大のプラットフォーム」なのだ。

7) カトリーヌ・ボスレー/EDITAS MEDICINE

──「何があっても、登りたい山が目の前に見えた。だから、無茶だって思われるぐらい、お金を集めたの」

[解説] ボスレーは2014年、“DNAのワードプロセッサー”の異名を持つ「CRISPR-Cas9(遺伝子編集技術)」をベースとした治療法を開発する製薬会社CEOに就任。遺伝子を“編集”することで、難病の原因を根本から解決する。そんな革新的なアイデアを前に、ボスレーはリスクをとることに何の躊躇もなかったという。

8) ダニエル・エク/スポティファイ

──「昔よりみんな音楽を聴くようになって、より多様なアーティストがいる。でも、音楽産業はダメになってしまっている。こんな悲しいことはないよ」

[解説] 世界に750万人のアクティブユーザーを持つ世界最大の定額制音楽ストリーミングサービス、スポティアフィCEOのエク。ナップスター以後、音楽産業が直面する現状への言葉。この崩壊への流れを止めるべく、スポティファイは4000万曲以上を配信し、アーティストとレーベルに収益の分配を行う。

9) ジェイ・フラットレー/ILLUMINA

──「ムーアの法則を上回るスピードで進化する技術を、研究せずにいられるだろうか」

[解説] 先進的なDNAシーケンス技術を持つバイオテクノロジー企業Illumina。フラットレーを魅了した技術革新のスピードは、やがて「初期段階のがんを血液検査で見つけられる」という世紀の大発見に結実したのだった。1億ドルを投じて設立した新会社GRAILは、汎用がん検査の開発研究に取り組む。

10) アイリーン・ゴードン/INGREDION

──「物語ではなく、データをください」

[解説] 2009年、高品質の天然由来素材を提供する原料ソリューション企業にCEOとして入社したゴードン。領域横断的なビジネスに、専門家の協力は不可欠だ。ただ、彼女は、根拠のない報告を許さない。「彼女に権力があるのはCEOだからではない。知的だからだ」と評されるのも納得の一言。

文=山本隆太郎

この記事は 「Forbes JAPAN No.33 2017年4月号(2017/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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