次の目標は「24時間以内の再飛行」
「スペースXは、わずか15か月間で1段目ロケットの回収から、再利用ロケットの商業打ち上げまでを成し遂げた。これは、従来の開発サイクルに比べて格段に短く、素晴らしい成果だ」とMatthewsは話す。Matthewsはまた、急成長する人工衛星市場において、スペースXの成果は重要な意味を持つと指摘する。
「宇宙フロンティア財団が過去1年間で150社の人工衛星スタートアップを調査した結果、大半の企業が打ち上げスケジュールと打ち上げコストを最大のリスク要因に挙げていることがわかった。スペースXの成功により、参入障壁や成長リスクが大幅に低減され、業界全体の活性化につながるだろう」
スペースX以外にも、複数の企業がロケットの打ち上げコスト削減に取り組んでいる。ジェフ・ベゾス率いる「ブルーオリジン (Blue Origin)」は、再利用ロケットを使った準軌道飛行テストに成功しており、数か月後には商業打ち上げを開始する予定だ。他にも、再利用ロケットによる小型衛星の打ち上げに取り組んでいる企業もある。また、再利用以外の方法でロケットの打ち上げコスト削減に取り組む企業も存在する。
「Rocket Labなどの企業は、規模の経済によるコスト効率化に取り組んでいる。彼らは、使い捨てロケットを大量生産することで再利用以上のコスト削減効果が得られると主張している」とOstroveは言う。
宇宙産業はまだ黎明期にあるが、今回の成功が新たな時代の幕開けを告げる快挙であることは間違いない。「宇宙ビジネスは、今後はさらに早いスピードで成長を遂げるだろう」とMatthewsは話す。
イーロン・マスクの目は、既に次の目標に向いている。彼はツイッターで、「偉業を達成したスペースXのチームをとても誇りに思う。次のゴールは、24時間以内にロケットを再飛行させることだ」と述べている。