隣の部屋のドアの脇にルームサービス用のトレーが置かれたままなら、定期的に廊下を見回るスタッフがいないということ。照明が気味悪く点滅しているなら、細かい部分への配慮が足りないことを意味する。何かが臭うと気が付くこともあるかもしれない。
最高級のホテルから標準と言うのも厳しいようなホテルまで、世界中のどこにあるどのホテルでも、期待と不安が入り混じるこの瞬間を経験するものだ。さて、ドアの向こう側はどうなっているのだろうか──?部屋に入ったらすぐに確認してみることをお勧めするのは、次の5つだ。
1. 部屋の空気(深呼吸する)
足を踏み入れた最初の一歩は、その部屋でどのようなことを経験するのかについて多くのことを教えてくれる。筆者が滞在したバンコクのホテルでは、ほのかなジャスミンの香りがした。一方、ある有名ホテル(名前は挙げないことにする)では、1分もしないうちにフロントに戻り、「部屋がおしっこ臭い」と“丁寧に”説明しなくてはならなかった。
部屋の空気がこもっていたら窓を開けて換気をしたいところだが、開けられない場合もある。空調の設定温度を下げれば、少しは空気を循環させることができるかもしれない。
2. トイレとバスタブ
髪の毛が落ちていたり、清掃について何か問題があったりした場合は、仕事を終えて部屋に戻るまでに対処しておくよう頼んでおこう。タオルの追加が欲しい場合も、部屋に戻って着替えてしまう前、チェックイン後に外出する際に伝えておくのがいい。
3. 金庫の中
セーフティボックスの中にパスポートなどの忘れ物がないかどうか、外出する前に確認しておこう。また、暗証番号のリセットの仕方を知っているスタッフが1人か2人だけというホテルもある。その人たちが仕事を終えて帰宅してしまう前に、知らせておきたいものだ。
4. 電源、電話と照明器具
夜間にチェックインした場合や、ホテルがターンダウン・サービスを行っている場合は別だが、暗くなるまでこれらがきちんと機能しているか、気付かないことが多い。
コードレス電話は、前の宿泊客が充電器から外したままにしていたなどの理由で、充電が完了していないことがある。部屋に入ったらすぐに確認をしておこう。また、目覚まし時計をオフにすることも忘れずに。早朝に鳴り出し、起こされることにもなりかねない。
5. マットレスとカーテンの下、ナイトスタンドの裏
ベッドのマットレスとその下のボックススプリングの間には、その上に寝ると思うとぞっとするようなものが挟まっている場合がある。そして、カーテンは滞在中に何度も開閉するものだ。足元を確認しておきたい。コンセントはナイトスタンドの裏の壁に配置されていることが多いが、その隙間は埃がたまる場所だ。
最後に:除菌シートを持っていたら、電話やテレビのリモコン、ドアノブ(バスルームとクローゼットも)など、触る物や場所を拭いておくといい。「細菌恐怖症」の人も、それで少しは安心できるだろう。また、ハウスキーパーへのチップも忘れずに。私たちは宿泊時に一度だけだが、ハウスキーパーは毎日何度も、その部屋の清掃をしているのだから。